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ブロッコリーを食べる金魚と斎藤 知事再選の意外な関係
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:ペット命のあなた。愛するワンちゃんのために考え抜いた挙げ句、高級ペットフードを毎日食べさせているけれど、「これでこの子は幸せかな」との疑問がよぎる。でも、それは正しい。未だペットの食事に正しい答えはないからだ。SNSがこの混乱に拍車をかけている。斎藤 元彦氏も何故か絡んできた、現代の混沌とした状況を考える。
金魚にブロッコリーは邪道か
最近衝撃を受けた写真がこれ、です。
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金魚がブロッコリーを食べてます。
おいしそう。
でも動物愛好家のあなたは、僕をこういってなじりますよね。
「人間の食べるものをペットに食べさせるバカいるかよ!」
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「人間の食べ物は総じて塩分が多く、ペットには不向き。アレルギーの問題もあるし、ぺっとふーどをあたえるのが一番安全だって知らないの?」
しかし、この金魚の飼い主はこう反論します。
「獣医にも、魚医にも(そんなんいるのか?)さかなクンにも訊いたんだ( ウソ)。ブロッコリー食べさせていいって。僕なりに科学的根拠も踏まえ、金魚のジョーの健康に一番いいと思ってあげてんだ。余計なお世話だ!」
ペットに何を食べさせてもいいのか
実は、人間の食べるものを与えるな、という近年の常識は、必ずしも科学的根拠があるわけではないのです。
まず、実験のサンプル数が少なすぎます。
動物が何を食べたらいいのか、悪いのか、という実験は、人間に対してのそれとは比べ物にならないくらい、行われてないのです。
そして動物学や動物の栄養専門家の間でも、統一した見解はまだででてないのです。
混乱に輪をかけているのが、インターネットに流れる玉石混交の情報、いやなにが玉で、なにが石かさえ分かっていません。
ですから、ベジタリアンの飼い主は、ペットに野菜料理しかあげないし、イスラム教信者はペットにも豚肉を食べさせないハラル料理しか食べさせない等の現象が起こっています。
ペットブームはこれからさらに過熱する
コロナが間違いなく、ペット熱をあおりました。
人々はおうちにひきこおうちにひきこもり、必然的にペットをかわいがる頻度も増えました。
このことが人々のペットに対するメンタリティを変えたというのは、前述のニューヨーク・タイムズです。
「私はペットちゃんの健康を本当に真剣に考えているのだろうか」と悩む人が増えたという指摘です。
斎藤 知事再選問題とペットの食事の共通点
今回のペットのお食事問題、最大の争点はやはりネット情報の混乱です。
兵庫の知事選とそっくりの構図なのです。
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人々は、テレビ他既存メディアの報道を信じなくなって、ネット情報により頼るようになりました。
しかし、SNSに流れる情報も、どれが本当でどれが嘘か、わからないのです。
百条委員会が立ち上がったにも関わらず、「斎藤 元彦知事のパワハラはガゼ」などの流言も飛び交い、SNS界隈ではあれほどテレビがあおった知事の悪行が、「なかった」との、書き込みも目立ちました。
ペットの食事についても、SNSだと政治と同じように、真実追求よりも、イデオロギー論争のようになるのです。
どちらが正しいかよりも、自分の意見を通したいだけの、陣取り合戦になりかねないのです。
斎藤 元彦氏の今回の再選問題は、このことをはっきり世の中に突きつけました。
真実を捉える目が必要
たくさんの考えや意見があることは、民主主義にとって望ましいことです。
多様な見解は尊重されなければなりませんが、本質とは何か、真実とは何かを見極める目を持つことが同時に求められる時代になったのではないでしょうか。
専門家の意見も割れる、インターネットでは最新情報が出回る、SNSでは主流派とアンチが主導権争いを繰り広げ分裂。
科学的であるべき議論が感情的になり、エスカレートしていきます。
齊藤元彦問題、金魚の食事問題は、これからの時代の予兆であり、あらゆることで起きることでしょう。
では僕らはどうすればいいのか。
僕の考えはこうです。
1.本に頼れ
以前、糸井重里vs見城徹でもやりましたが、幻冬舎の社長である見城氏の主張はこうでした。
「ネットは信用できないそれはひとえに編集がないからだ。情報の信頼性と正確性を担保するのは、編集者である。編集者のいないネット空間はたんなる情報無法地帯だ。」
一理あると思います。
しかし、その本はしかるべき内容を備えたものでなくてはなりません。
2.自ら考えよ
日本人はややもすると常識的な多数意見に飲み込まれがちです。
今こそフラットなところから自分で考える習慣をつけましょう。
新聞や偉い人の意見をおとなしく聞く、有難がる、こういう姿勢にサヨナラしましょう。
3.リーガルマインドを持て
齊藤知事にパワハラがあったのか。被害者と本人双方の言い分をあなたがジャッジするのです。
リーガルマインド(legal mind 法的思考)が役に立つでしょう。
双方の言い分を比較検討し、どちらが妥当性が高いかを判断する思考です。
法学を学ばなくても、この考え方を習慣づけることによって、あなたなりのリーガルマインドを持つことができます。
4.実験精神を持て
金魚にブロッコリーを食べさせて、様子を見るのです。
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目の輝き、食欲の推移、体温の変化・・てそれはムリか。
かわいいペットにこのようなリスクを伴い実験をするのは論外ですが、ようするに、実際にやってみて、変化を見る、ということが大事です。
サプリメントを買ったら3か月は様子を見る、というノリですね。
でも、マジでワンちゃん、ネコちゃんの日々のお食事を彼ら彼女らにとってよりヘルシーで美味しいものにすると、人間との関係もさらに良くなるんじゃないでしょうか。
野呂 一郎
清和大学教授