ビッグマック344円は安すぎる?デフレでも喜べない日本を救うのはマーケティングだけだ
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:なぜ、日本の物価が安いのかの理由。なぜ、アメリカの経済はダイナミックで、日本はダイナミックじゃないのかの理由。マーケティングとは何か。なぜ、マーケティングが日本経済を救うのかの理由。
世界がインフレなのに、日本がまだデフレの理由
The Wall Street Journalのオンライン版は、動画もついている。なかなか見応えがあるものが多い。紙にこだわっていたけれど、オンラインは双方向のチャットみたいな機能とか、動画などもあり、それはそれでいいなと思った。
さて、今日見た動画は、アメリカはインフレで8.4%物価が上がってるのに、日本は逆に1.4%下がってる、日本も原材料が不足し、供給網が滞っているのは同じなのに、なんで物価が上がらないのか、という内容だった。
レポーターのThe Wall Street Journalの日本支局長は、その象徴的な現象として、以下の4つを上げていた。
ダイナミックさが足りない経済
日本の物価が安さを、支局長はマクドナルドからの中継で、こう説明した。
「日本のビッグマックは344円、です。アメリカは2020年の価格で3.99ドル(約460円)、スタッフの賃金が10%上がってるから今は500円を超えているでしょう」。
NYの地下鉄の最安区間はこの10年で2倍になっているが、日本のそれはほとんど変わっていない。パソコンも半導体不足にもかかわらず、驚くほど安い。そんなことも指摘した。
経済とは数字じゃなく、実感だ。
レポーターの支局長は、より客観的な日本経済の現状を教えてくれたと思う。
彼の言葉でやけに印象に残ったのが、日本の経済はless dynamic(ダイナミックさが足りない)というものだ。
Less(より少ない)とは比較対象があるはずだが、これはアメリカに比べれば、という意味と考えていい。
それはアメリカ人に比べ、消費活動が活発じゃない、もっとありていに言えば人々がものを買わない、という意味だよね。
別にものを買わなくてもいい、GDPとやらは幸せの尺度じゃないし、そもそも経済成長云々なんていうのは、サスティナブル、SDGsに逆行している時代錯誤、当然そういう意見もあっていい。
しかし、経済成長がなければ賃金が上がらず、軍事費も削減せざるを得ず、生活はより厳しく、中国の脅威に日本の安全保障はますます危うくなるだろう。
現実問題として、less dynamic な経済はなんとかしなくてはならない。
日本経済活性化の答えは一つしかない
その答えとは、マーケティングだ。
なぜならば、需要という経済活動を生み出し、企業に利益をもたらすのはマーケティングしかないからだ。
これは僕が言っているんじゃない。コカコーラ社の元チーフ・マーケティングオフィサーChief Marketing Officer、つまり世界最大の飲料メーカーのマーケティング部門の総責任者がそう言っているんだ。
僕のマーケティング・バイブルでもある、
The end of marketing as we know it という本のP17で、このマーケティングの神様・ セルジオ・ザイマン(Sergio Zyman )さんは「マーケティングを通じて需要を創造せよ」という章で、こう語っている。
デジタルやAIはマーケティングじゃないって
ここでマーケティングの講義をしようというのではないが、日本がなぜ、アメリカのレポーターにless dynamicと言われる理由は一つしかない。そう、マーケティングが弱い、それだけだ。
僕が気になるのは、今世の中は何でもデジタルとAIでカタがつくと思っていることだ。
それはデジタルとかアルゴリズムじゃ、ダメなの。
ヒトの体と心を揺さぶるとはなにか。
それは新潟プロレスを見にくればわかる。
って宣伝しすぎかもしれないけれど、最近の僕の新潟プロレスの記事を見てくれれば、宣伝ばかりとは言えないよ、多分。
新潟プロレスは、たとえだ。
要するにライブの、肉弾あいうつ熱いイベントを見てほしいってことだ。
オンラインなんかじゃダメなんだ。
マーケティングなんて今は勉強する必要ないよ。
外に出て、感じてほしい。スマホを投げ捨てて。
それがマーケティングの上達する、最高の方法だ。間違いないって。
じゃあ、今日はこれで。
年末急がないで、ゆっくりね。
じゃあまたあした。
野呂 一郎
新潟プロレスアドバイザー/清和大学教授