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日本復興は仮面ライダーV3から
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:特撮vsCGどちらがいいのか。CGが滅ぼす映像芸術という暴論。仮面ライダーV3を見れば日本復興という理由。
仮面ライダー再び
仮面ライダー50周年とかで、この間、仮面ライダー総選挙、みたいな番組をやっていました。仮面ライダーのリバイバル・ブームが来たようです。
僕はすでにジイさんで初代の藤岡弘。とかV3の宮内洋で育ったので、仮面ライダーリバイス、仮面ライダーゼロワンなどはわからないんです。
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というか、正直言ってあまり見る気がしません。
それは時代が違うから、お前がジイだから、だけではないと思うんです。
初代だのV3だのと、確かにレベルの低い特撮かもしれません。
実際、仮面ライダー総選挙では、昔ぁーしのライダーたちはあまり評価が高くなかったようです。
しかし、そうカンタンに切り捨てることもできないのではないか、そう思うんですよ。
特撮対CG
なぜ僕が最近のライダーたちを見る気がしないのか。
それはCG(コンピューターグラフィックス)だらけだからです。
仮面ライダーの格闘シーン、爆発シーンなど、みんなCGでしょ。
最新のCG技術を駆使などがウリのようですが、コンピューター技術を使った絵は単調に思え、惹きつけられないのです。
いま、テレビ埼玉でしたっけ、宮内洋主演の仮面ライダーV3が50年ぶりくらいの再放送をやっています。毎回熱心に見ているんです。面白いから。ノスタルジーかよ、って言わないで😁
なぜ面白いか、それはCGがないからです。
”爆破”という感情に訴えるチカラ
まず、怪人がいいんですよ。
V3ではデストロンという世界征服を企む悪の結社がライダーたちを倒すため、毎回”怪人“を登場させるのですが、手作り感満載なんです。
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おなじみの猛獣たちはもちろん、ヘビやナマズやカエルまでもモチーフにし、そのおどろおどろしい動きも、機械やコンピューターでは表現できないものなんです。
今のライダーの敵役は、みんなCG合成でしょ。なにか無機質で訴えてこないんですよ。
宮内洋さんは、総選挙番組でゲスト出演した時、「爆発が大好き」と言ってました。
そうなんです、V3の爆破シーンがなにか心に響くものがあるのは、本物の爆薬を使っているからです。
爆破シーンと言えば、西部警察、もそうでしたね。
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プロレスの大仁田厚がブレイクしたのも、”爆破マッチ”でした。本物の爆破は、心を揺さぶるなにかがあるのではないでしょうか。
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格闘シーンも、リアルです。
格闘技などに詳しい人が多い現代で、仮面ライダーvs怪人たちの殺陣は、笑っちゃうレベルかも知れませんが、疑似にしても人間同士が戦っているところに、なにか感じるものがあります。
ライダーが悪役のデストロンを蹴散らすのは、お約束の勧善懲悪とわかっていても、結構夢中になるのは、リアルな映像のチカラではないでしょうか。
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手作りの特撮に学ぶこれからのビジネス
昔のライダーを手作り特撮、最近のライダーをCG特撮と呼ぶことにしましょう。
手作り特撮はアナログ、CG特撮はデジタルといえるでしょう。
アナログはプロセスが全部見えるのです。
例えば怪人の姿を見ると、あの動物をモチーフにして、この色の布とあの色の布を縫い付けて、中に入っているのはあの役者で、などと演出のプロセスがすぐに見るものの脳裏に浮かんできます。
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しかし、CGはどうでしょうか。CGで作った怪人はこうしたプロセスは見えません。観客はそれを「点」としてとらえるだけです。
点というデジタル情報としてしか伝わらず、観客の想像力が働きません。
見るものの想像力を掻き立てるのが芸術だとすると、完成度は低くても手作りの特撮のほうが、芸術性が高いとは言えないでしょうか。
いや芸術論は行き過ぎですね、じゃあこれからのビジネスとしてどちらかを選べといわれたらどうでしょう。
もちろん、効率を考えれば、そして予算を考えればCGのほうがより速く、より安く完成度もそれなりのものができあがると思います。
一方、いま手作りの特撮を創るとしたらどうでしょう。カネはかかるし、ああでもない、こうでもないと特撮のセットを作るところから喧々諤々の議論が始まり、怪人や怪獣のデザイン、演技の立ち位置など、それこそ撮影は困難を極めることでしょう。効率も悪いし、カネも時間もかかることでしょう。
実際に特撮の元祖・ウルトラQ、ウルトラマンであまりに有名な円谷プロの現場がそうだったそうです。
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しかし、観客に与えるインパクトは、感動はどうでしょうか。
少なくとも、手作り特撮のほうが見るものの感情を揺さぶると思うのですが。
もちろん、アナログであろうが、デジタルであろうが、見る人の好みや時代性であり、絶対的な優劣を論じるものではないことは明らかです。
日本再興のヒントはV3にあり
この手作り特撮vsCGの話は、どうしても色んな分野で世界と戦っていかなくてはならない日本にとって示唆がある、と考えるのです。
国の競争力の源泉は、想像力、です。創造力と言いたいところですが、創造力とは想像する力が根本にあるべきと考えます。
何かがイメージとして浮かんでくる力、それが想像力です。
想像力を掻き立てるような映像、これが手作りの特撮の真骨頂です。
あらゆる分野で、作るもの、それを手に取るものの想像を掻き立てるモノを作ること、そのことこそが日本復興のカギになるのではないでしょうか。
仮面ライダーV3主演・宮内洋さんがライダーバイクに乗って両手を離して、「ブィスリャー」(「V3」を緊迫感をもって叫ぶとこうなるby宮内洋)と雄叫びを上げて変身するあのポーズは命がけで、決してCGで表現できるものではありません。
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ぜひ皆さんも、今年は一度YouTubeなどで、あのシーンを目に止めて下さい。想像力そして創造力がわいてくるかもしれません。下にあります!
https://www.youtube.com/watch?v=nxwt77cQhDk
ではまた明日会いましょう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー