戦争でも生きる武道&経営学。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:ウクライナ戦争で証明された武道の心得。戦争に生きるマーケティングとは。ロシアを屈服させようとしている、たった1つの秘密兵器とは何か。アメリカの本音は戦争=経済?
「少よく大を制す」を実現しているウクライナ軍
ウクライナ戦で証明されたのは、小よく大を制す、という武道の心得が戦争でも生きる、という真理です。
気がついたときにはウクライナにいて、古い戦略しかしらないボケ上官に「目の前の敵兵をやっつけろオラ」とか言われておどおどする、何万人ものロシア兵。
かたや、祖国を守る意気に燃えた100人のウクライナ兵。
小が大を制するのは、情熱であり、強い意志であり、理不尽を許さない正義感であることを示しました。
でっかい兵器がたくさんあっても、圧倒的有利にはならないことも証明されました。
ミサイルを撃っても正確にターゲットに当たらなければ意味がありませんし、戦車は小周りが効かず、接近戦にからきし弱いこともさらけだしました。
戦略と戦術こそが、勝利をたぐりよせることも証明されました。
ウクライナの戦略とは、援軍を頼ることです。
ゼレンスキー大統領は前線に出向いて指揮をとるよりも、各国の議事堂にZoomで出向いて支援を求める演説をすることを選びました。
戦術は「正確性」です。
量も質もロシア軍のものに遥かに劣る武器にレバレッジをかけるには、効率の良い的中率を実現するしかありません。
僕はこの戦術は「あのマーケティングを使ってんな」、とすぐ気がついたんです。
それはプリシジョン・マーケティング(precision marketing)です。直訳すれば、正確性を旨とするマーケティング。
詳しくは僕の本を読んで下さい(笑)
(情けないなぁ、84円かよ。でももうそろそろ絶版で超お得に買う最後のチャンスかも、です。)
そうなんですよ、マーケティングも、もう死にかけている概念なんで、とうとう最後に行き着いたのが、「正確性」つまり、数撃ちゃ当たるじゃなくて、一撃必殺という「確率論」です。
戦車は是か非か
このウクライナの大攻勢を象徴する兵器があります。
それはジャブリン・対戦車ミサイル(Javelin antitank missile)です。
Zのマークのデカブツ戦車が、転がされて無惨な姿をさらしている映像を、読者の皆様もテレビ等で何度見ていると思います。
あれは、みぃーんなジャブリンにやられたんです。
経済より戦争に力を入れるアメリカ
ウクライナが反転攻勢に出ているのは、結局、西側特にアメリカからの武器供与があるからです。その中心が申し上げた”ジャブリン・対戦車ミサイル”の製造、供与なのです。
BusinessWeek2022年6月13日号のタイトルは、「ペンタゴンはどうやって自らのサプライチェーン危機を克服できるのか How the Pentagon can attack its supply chain crisis」なんです。
「なるほど、世界が苦しんでいる物資不足と供給力の弱体化をアメリカ国防省がなんとかしようとしてるんだな、感心、感心、アメリカすごい」。
そんなことが書いてあるんだなと思って読んでみると、これがぜんぜん違う。
要するにこの記事で言うサプライチェーンって、ジャブリンを製造して、ウクライナに届けるサプライチェーンであり、これを切らすな、という内容なんです。
ウクライナに最強兵器をせっせと届ける、アメリカの熱心さが伝わってくる記事なんです。
この記事を読んで、僕がまず感じたのは、「社説にこんなこと書いていいのかよぉ」、というちょっとした驚きです。
この記事の結論は「民主主義を守るために、武器のサプライチェーンを盤石にして、不足がないようにしろ。武器の保管庫は民主主義の保管庫たりうる」なんです。
アメリカが、自国の経済をそっちのけにしても、ウクライナを勝たせるという固い意思を持っている、それをはっきり示している記事といえるでしょう。
アメリカの本音は戦争=民主主義?
BusinessWeekの親会社はブルームバーグ社(Bloomberg)です。この辺がなにか関係している気がしますねえ。
ブルームバーグといえば、世界の金融を取り仕切っているグループで、The Wall Street Journalの主。
この社説はブルームバーグの代弁なのです。
一言でいえば、ブルームバーグはこの記事で、「軍事費増強は常にアメリカの、民主主義の利益だ」とと言っているわけですが、他にもこんなことを言っています。
どうなんでしょうね、この記事をまっすぐ読めば、以下がアメリカの本音、ですよ。
日本は世界の平和にどう関わるべきか
うーん、武器産業まで礼賛ときたか、軍縮なんて考えはアメリカに、アメリカのビジネス界にはない、そう思わせる記事ですねぇ。
どうも、アメリカはどんな手段を講じても、ウクライナに勝たせたい、ロシアを叩きたい、そんな思惑が伝わってきます。
僕らは、こういう現実を抑えておいた方がいいと思います。
日本はどうすべきでしょうか。
アメリカの属国だから、アメリカのいうことを聞くしかないのでしょうか。
軍縮はポーズに過ぎないけれども、先進国として軍縮に真剣にコミットすべきです。
武器の供与を今後も間接的に求められることは明らかです。しかし、その前に停戦に努力することはできないのでしょうか。
今、安倍さんの国葬問題、統一教会問題で、日本の対ロシア政策、外交がどっか行っちゃってますね。
国民の目が、同じくらい重要なことからそらされてしまっていることを憂慮する次第です。
今日僕が言いたかったのは、特に以下の点です。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー