Envy Toyota. It's back.の日本語版 (もどき)
トヨタをうらやましがれ。ヤツの時代が再び。
ところで、読者の皆様はシンクロニシティって、信じますか。
僕は信じます。
シンクロニシティは、ご存じの通り、心理学の泰斗ユンクが初めて提唱したものです。
私はシンプルにこれを一見関連のない、意味のない出来事に連なる、意味のある出来事という風にとらえています。
たとえばあなたが元カノのことを思った瞬間に、彼女からの電話が鳴った、というようなことです。
私におこった最近のシンクロニシティはこうです。
ここ数日ずっとトヨタの生産システムのことを考えていたんですよ。
きっかけは、例のイランのことが頭にあって、全く正式決定でも何でもないんですが、来年イランの企業幹部にHRD(人的資源開発)の話をするときに、これはトヨタだな、って思っていたんです。
伝えるべきは技術でなくて精神
どういうことかというと、イランの人々に伝えるべきHRDは、アメリカのHRDじゃなく、日本的なHRDであるべきだと直感したからです。
HRDとは組織全体の能力開発で、僕はその中心は「より少ない在庫を持つという精神」つまり、トヨタのカンバンシステムの哲学ではないかと考えたのです。
それは単に技術ではなく、トヨタの全社員が共通にもっているマインドです。
それは単に教えられたものではなく、長年の現場労働や、人間関係、社風などから体と心にしみ込んだものだと考えています。
それは、アメリカ流、MBA流の合理主義とは全く違うものだと考えているのです。
もちろんアメリカ流を教えることはできます。
いろんな最新経営技術を列挙すればいい。しかし、イランの方々がわざわざ日本人に聞きたいのはそれじゃないだろうと思っていたのです。
思いは何かを引き寄せる、これがシンクロニシティです。
ここ数日にそんなこと、つまりトヨタのキーワードに関する重要な情報が飛び込んできたのですが。一つは日経新聞の記事、もう一つはBusinessWeek2021年9月2日号の記事です。
これが対照的なんですね。日経のどの記事か忘れたし、そこにトヨタの悪口が書かれていたわけではなかったのですが、僕がその記事から理解したことはこうでした。
チップが、半導体が不足して、いわゆる在庫を少なくする経営は終わった。むしろ、在庫を抱えるべきだ。
ところが、9月2日のBusinessWeekは逆のことが書いてあるわけです。それは、GEがトヨタ式の経営を熱望している、というんですね。
英語でいうところのlean production system (筋肉質でムダのない生産管理システム)。
このマインドをもったマネジャーが、ぜひ必要だと言っているんです。
表題に書いたEnvy Toyota(トヨタをうらやましがれ)は、GEの心の叫びなんです。
この記事で面白かったのは、GEって純血主義なんですよ。
いままで素晴らしいタレントが内部にたくさんいた。しかし、time to change(変化の時だ)って言っていて、外部からトヨタの血が流れている幹部をたくさん採用して、この際GEという組織のオーバーホールをしちまえ、とさえ言っているんです。
僕はこのシンクロニシティによって、だいたいイラン人にお話しする骨格がつかめたんです。
それは、記事にあったこんな言葉です。
Ethos of GE(GEの精神)という言葉。
これはさきほどのカンバンがトヨタの精神というのと、あい通じます。
そうです、全社でこの精神を共有していく、そのことを教えればいいのです。
そのやり方はもちろん一筋縄ではないし、トヨタの教育を受けたわけじゃない僕が話すのはおこがましいし、無理なんですが、でも映像を使ったり、日本的経営を絡めて話せば、伝わるかもしれない、そう思っているのです。
この偶然から、僕はいま日本的経営を見直すべきとの啓示(笑)を受けました。
実は、このテーマで本を書こうと決めて、今ねんごろにしている出版社に企画書を作っています。
一連の出来事はシンクロニシティ何かじゃなくて、お前の妄想だと言われれば、そうかもしれませんが、なにか人間一つの考えや思いの熱度が強いと、結論めいたなにかがひらめくのかもしれません。
企業の研修は難しい
でも、もちろんプランBも用意してますよ。
イランの方がそれをいらんといった時のバックアップ、です。(笑)
企業の研修って、外れたりするんですよね、こっちが良かれと思って作ってきたプランが「要らない」になることは、ある。もうそんなの嫌ですからね、プランCくらいまでは作りますよ。
英語で書くとまったく違う内容になってしまう
さて、そんなことで、昨日の記事の日本語版を作ったつもりですが、全く違ったものになってしまいましたね。
英語で書くのと、日本語で書くのって、全然違うんですよ。でもそれが面白いことは最近わかってきました。それは可能性ということです。
いまBloggerというプラットフォームを使って英語のブログ書いてますけれど、設定が間違ってるせいか、ほとんど誰も来ないんですが、続けようと思ってます。
さて、もうひとつの、これもシンクロニシティの仲間なのかなあ。最近新潟プロレスのことを書いたんですが、思いのほか読んでいただけたようで、それに触発されたのか、今こんな思いなんです。
プロレスラーの気持ちがよくわかる。
客を満足させられるか
試合に勝っても、お客さんに勝てないと、落ち込む。これが一流プロレスラーの境地なんです。
試合に勝つとは、講演でウケなくても正論を言うことです。お客さんに勝つとは、講演がウケることです。ウケなきゃダメなんですよ。それは単にうわべの人気があったというのではなく、聴衆を生徒を満足させたということですね。
そのためにはプランA、プランB、プランCを用意し、観客の生徒の反応を見て、思い切って変える勇気を持つことだと思っています。
さて、トヨタとGEのはなしですが、なにか日米を代表する製造業がなにかシンクロしたような気がするのですが、気のせいでしょうか。
今日も最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。
明日は、ジェンダーの話をする予定にしています。
では明日また。
野呂 一郎
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