資本主義+民主主義こそ新しい資本主義だ。
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:資本主義はチート(ズル)が多すぎて機能してないという事実。民主主義というルールを徹底させることでほんとうの資本主義になる、という論。トップ画はhttps://qr1.jp/fPYJAS
これが本当の「あたらしい資本主義」だ
岸田さんの「新しい資本主義」なんてのは、誰もわかりません。ただ、新しいスローガンが欲しくて、苦し紛れにつけただけの、古い政治的トリックにすぎません。
誰もはっきりわからない、というところがミソで、だからこそ、国民がああでもない、こうでもないと言ってくれ、失政のときも話題そらしに便利なのです。
新しい資本主義というならば、民主主義的資本主義のほうが、はっきり、スッキリします。
いや、これは僕のアイディアじゃなくて、受け売りです。
ニューヨーク・タイムズで紹介されていた本で、Invisible Trillions (見えない一兆円超え大金持ち)というタイトルが付いています。
サブタイトルが、あたらしい資本主義とはどうあるべきかを端的に物語っており、岸田さんに読ませたいです。
資本主義のアキレス腱
それは本のタイトルにある、「見えない一兆円超え大金持ち」を、資本主義がたくさん生み出している事実です。
ようするに、不正な手段で大金持ちになっている悪人たちを、平気ではびこらせているのが資本主義なのです。
まさにこの本のサブタイトルにあるように、「だましたカネが資本主義を危うくしている」しているのです。
その最たるものがマネーロンダリング(資金洗浄)です。
マネーロンダリングとは不正に儲けたお金の出処をごまかして、正当に合法的に得たマネーと見せかけるトリックのことです。
インボイスという言葉が流行っていますが(笑)、マネーロンダリングの典型的な手口は、インボイス(請求書)を水増しして、実際の売上よりも多い金額を記帳し、その差額は勝手に作ったペーパーカンパニーが儲けたように見せかけるのです。
また、カネの出所などチェックしない海外の銀行の口座に、不正手段で手に入れた資金を送り込むことも、相変わらずです。
世界にはマネーロンダリングの他にも、タックスヘイブン、クレプトクラシー(泥棒政治、権力者が民のカネを横取りして自らを肥やす)、ザル法、規制の抜け穴、フェイクファンドなどなど、不正なカネの調達を可能にするしくみがはびこっているのです。
ロシアへの経済制裁が効いているか、という議論がありますが、不正な資金調達が大手を振ってまかり通っている世界の現状を考え合わせると、抜け穴はいくらでもあるというのが正しいでしょう。
なぜ不正なカネが横行するのか
それは4つの理由があります。
アメリカの関与?
この本の著者、レイモンド・ベイカー氏(Raymond Baker)は、1960年にハーバードビジネススクールを卒業したあと、ナイジェリアで数多くの企業を立ち上げ、国際ビジネスの最前線で活躍してきました。
そんななか、国際的な資金の流れに対しての抜け穴が多すぎることを痛感し、資本主義は民主主義であるべきという根本が崩壊している、と力説するのです。
ベイカー氏は、驚くべきことにこの問題に関してのアメリカの関与を示唆しています。
そのことについては、また明日触れたいと思います。
野呂 一郎
清和大学教授
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