自分から話しかけるとキミの才能が開花する
積極性の続き、3番目は自分から話しかけることだ。
これも実は日本人の習慣にはない。日本人は常に受け身で、誰かが何かをしてくれるのをじっと待っている。
僕はもともとシャイなので、自分から声をかけることなどできなかった。
しかし、英語のトレーニングを受けて、自然と話しかけることができるようになった。
そして、海外で人々の様々な交わりを見て、経験するにつれ、人に好かれ、尊敬される人たちは例外なく自分から話しかける人だとわかった。
昨日、東京駅の地下街にある老舗デパート大丸の食品売り場にある、いつもの弁当屋さんに寄った。今日も僕は売り子のおばちゃんたちに声をかける。「ここの西京焼き弁当、日本一美味しいよね」とか、「本当に政府はオリンピックやるつもりなのかな」とか。声をかけてどうなったか、いいことがあったよ。
「偶然」がキミの才能を掘り出す
人間の成長にいちばん大事なのは「偶然」だと思う。
偶然とは文字通り思いがけないことである。それは普通の生活をしているとなかなか起こらないことである。
偶然は、人に声をかけることから生まれ、なにか大事なことを教えてくたり、チャンスをくれたりする。
そして、重要なことはかなりの確率で、偶然はキミのポテンシャルを発見し、伸ばしてくれるのだ。
これは自分から声をかけるという積極性が一種の「運」呼び込む、からだと思う。
偶然のない人生は、かわりばえのしない人生だと思う。
言い換えればキミのもっている本当の才能を引き出せない人生だと思う。
それはこう言いかえることもできるだろう。
積極性のない人生は、キミのポテンシャルを出せない人生だ、と。
積極性とは実行することだ。
自ら挨拶をして、声をかける、これが基本だ。そこからキミを伸ばすチャンスがどんどん出てくる。これが積極性のマジックだ。
自分から声をかければ情報=宝が手に入ってくる
偶然とは質のいい情報のことである。
人間を変えるのは情報であり、情報の質だ。
だけれど、いつもと同じ生活、つまり、自分から人に声をかけず、受け身で生きていれば偶然はやってこない、キミを変える、伸ばす情報は手に入らない。
さて、くだんの弁当屋のはなし。おばちゃんに声をかけたら、偶然が、つまり情報が手に入ったのだ。
「あらお客さん、あなたのこの大丸カード、ポイント満期来てるわよ、今日中に使わないと損しちゃうわよ」。
僕は早速、帰りにまた同じ大丸の今度はあの崎陽軒でシウマイ弁当を買い、その時におばちゃんから教わった期限切れ寸前のポイントを使ったのだ。560ポイントもあった。自分から声をかけなければ、このおばちゃんとの会話=情報はなく、560円の割引も手に入らなかった。
自分から声をかけることは情報収集活動
経営学では、競争に勝つ秘密は差別化だ、と教える。
差別化とは、人と違うことをすることだ。
人と違うことをするためには、人と違う情報を持ってなければならない。
自分から声をかけることは、自分だけの情報収集なのだ。
八百屋やスーパーで買い物をする時、必ず店主に声をかけることにしている。「こないだのキウィは安くて美味しかったよ」 「ニュージーランド産だからですよ、国内のはまだ酸っぱくて及ばないね」。キウィに関する情報が増えたよ。
声かけで社会問題に気がつく
この前乗ったバス。ブザーを押し忘れ目的地を乗り過ごしたお客さんがいた。親切な運転手さんはわざわざ戻ってあげた。終点で降りる時、僕は運転手に声をかけた。
「良い判断でしたね」。
運転手さんと話が弾み、彼はふと「あの人外国人じゃなかったかな」と言った。僕はハッとした。バスの案内は日本語なので、おそらく降りそこねた彼はわからなかったのだ、そう思った。
国際化とか言っている日本に、バスの降車案内の英語のガイダンスもないことに、社会の矛盾を感じたのだ。貴重な気づきを得ることができた。
タクシーで声をかけるととびきりの怪談に出会える
タクシーに乗った時も、もちろん運転手に声をかける。そうすると、その地でないと絶対にゲットできない貴重な情報が手に入る。
「運転手さん、お化けを乗せたこと、ありますか」「あるんですよ、真夜中に道に迷って農道を通ったんですけれど、ある田んぼの角で、手を上げている人影があったんです。乗ってきたのは・・・」。
これはホントの話だよ。人に話せる幽霊譚(ゆうれいたん)が増えた。
タクシーは運転手に声をかけられるから嫌だ、という人がいるけれども、自ら貴重な情報のインプットを拒否することは、自分の成長のチャンスを自ら捨てているようなものだ。
情報がキミの魅力を高める
積極性の話とは、ちょっとそれるけれど、経営学とは結局魅力的な人間を創る学問のことなんだ。魅力ある人っていうのは、人と違う自分だけの情報を持っている人じゃないかな。人と違う情報が人と違うアクションに繋がり、それが魅力的な人を創る。
魅力的な人になることはカンタンだ。自分から声をかけることだ。
それには勇気が必要かもしれない。しかし、キミが払ったその代償の100倍素晴らしいリターンがあることを保証しよう。さあ、いますぐ自分から声をかけよう。
今日も読んでくれてありがとう。
また明日会おう。
野呂一郎