なぜ、ネイマールはPKを蹴らなかったのか?(高校生、大学生向け)
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:なぜ日本もブラジルもPK戦の心理学を勉強してなかったのか。ネイマールがPKを蹴らなかった理由。PK戦に勝つメンタリティとチームワークとは一体何か。ピンチや過剰期待の時に成功するコツ2つ。トップ画はhttps://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fhochi.news%2Farticles%2F20221210-OHT1T51034.html&psig=AOvVaw19azURjiGqetO_H4XrSU--&ust=1670759651561000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwi82sft_u77AhXBJqYKHd8uA3YQr4kDegUIARCCAg
日本代表の明らかなミステイク
それはさ、明らかにPK戦だよね。
いや、これは森保さんがどうのこうのじゃなくて、日本サッカー全体の問題なんだ。
だってさ、決勝リーグに上がればPK戦ってわかっているわけじゃないか。
それに対して、全く備えがないことが明らかになったよね。
クロアチア戦で、僕に言わせれば選手たちがPKの成功、失敗にあんなに感情的になっているのは、おかしい。
おかしいという表現はそれこそおかしく聞こえるけれど、経営学的に見れば、それに対しての備えがまったくないことが言語道断に見える、ということなんだよ。
それは、昨日のブラジルチームにも言えることなんだけれど。
世界一のチームが、日本と同じようにPK失敗をチーム全体で嘆いている。
多分、ブラジルはPKでも本戦でも負けることなんて、あんまり考えたことがなかったから、PKの備えがなかった証拠だ。
スポーツ心理学の重要さ
僕が何にあきれているかというと、なぜスポーツ心理学をもっと勉強しないのか、ということなんだよ。
サッカーでもっとも心理学が必要な局面は、言うまでもなくPK、そして勝負を決めるPK戦なんだ。
ネイマールが今回、PK戦の前半でなぜPK蹴らないって批判があったけれど、ネイマールでさえ、足が震えるんだよ。
それは、長年PKの心理学を研究している、ノルウェー大学の研究者ゲイル・ジョーデット博士(Geir Jordet)がそう言っている。彼はワールドカップのペナルティキックを専門に研究してるひとだ。
考えてごらんよ、PK蹴るのを何億人の人々がテレビを通じて見てるんだぜ。
選手の肩にかかるプレッシャーは、何万トンじゃきかないだろう。
なぜ、クロアチアのキーパーは神がかっていたのか
ジョーデット博士に言わせると、それはW杯PK戦のキーパーは、プレッシャーが案外少ないからだ、というんだ。
PKは入れて当たり前だろ。だから、ゴールを許しても国民はほとんど非難しないんだよ。
むしろ、止めたらヒーローじゃないか。
だから、キーパーはむしろ、モチベーションが高まる。
だからそういう意味では、ファースト・キッカーのPKを止めることが、極めて重要になる。
クロアチアのキーパーは、実際そうだったろ?
しかし、キッカーは逆だよ。真逆。
もし、この理屈がわかっていれば、森保監督はエベレスト・アナロジー的な発想で、第ニキッカーを変えても良かった。
PK戦に勝つ心理学
ジョーデット博士によれば、それはクールダウンとチームワークだという。
蹴る前に落ち着いて、深呼吸をして平常心を保つこと、だ。
チームワークとは、PKは一人で蹴るものじゃない、ということだという。
チームとしての盛り上がりが必要なのだ、と言う。
例えば、浅野がPK決めたあと、チームがもっと喜んでノリノリになったら良かったんだ。
チームのムードが、キッカーに乗り移る、そういう意味でのチームワークだ。
日本のスポーツに足りないのは組織論と経営学
僕が言いたいのは、なぜ日本サッカー協会は、組織をあげて事前にこのPK研究の世界的権威ジョーデット博士に教えを乞わなかったのか、ということ、それひとつなんだよ。
PK失敗したとか、監督がどうのこうのじゃないんだ。
それ以前の組織の問題、組織論がなっちゃいない、ってことを指摘したいんだよ。
だから、心理学でもないんだ、組織論つまり経営学的な勉強が足りないんだよ。
だから、高校生、大学生の皆さんには経営学を真剣に勉強することを勧めるよ。
実は僕が毎日、あんまり見てもらえてないのに、拙いブログを続けているのは、みんなに少しでも今の経営学を伝えたいからなんだ。
今日のコラムはThe Wall Street Journal電子版2022年12月7日号「A Psychologist Spent Five Years Studying World Cup Penalty ShootoutsサッカーW杯ペナルティキックを5年間研究した心理学者」を参考にしました。でも記事の解釈はオレ流だよ。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー