【簡単】顔の入れ替えが簡単なRope Pearlのインストール方法
顔の入れ替え?
AI(人工知能)を使って動画や静止画に登場する人の顔を別人に入れ替えることが簡単に出来るようになりました。
一般的にディープフェイク(deepfake)と言われており、機械学習アルゴリズムの一つである深層学習(ディープラーニング)を使用して、2つの画像や動画の一部を結合させ元とは異なる動画を作成する技術を元にしています。
今回はそのディープフェイクを簡単に実行、作成できるソフトウェア環境であるRope Pearlのインストール方法についてまとめたものです。
またすべて無料のソフトで構築できます!
Rope Pearlの特徴
今回インストール環境のRopeは元動画に対して、画像1枚でディープフェイクを実現するソフトウェアです。
face swapのように動画 to 動画でないので処理速度は圧倒的に早いです。
当然ながら入替のレベルはface swapに比べるとかなり劣る面ありますが、
Ropeの挙動を理解すれば十分楽しめる動画が生成できるかと思います!
補足
Ropeで調べるとRope OpalやここのようにRope Pearlなど色々出てくるかと思いますが、opalやpearlはいわゆるバージョンを意味します。
開発者さんが宝石名をバージョン呼称に使用しているためです。
releaseを見ると色々記載あります。
本記事について
ディープフェイクを用い、実際に動画を作りたい方は是非こちらお読み頂き、構築いただればと思います。本記事はオンラインサービスを利用したものではなく、ご自身のパソコンにインストールする形のため、月額費用も掛かりません。
記事を更新(24/10/20)し、別記事にしていた重要設定も入れ込みましたのでこちらの記事のみでRopeの構築は可能です。
そして他で書かれていない詳細なライブラリ競合回避や必須ライブラリのインストールも書いています。
構築環境
今回はWindows10をベースにしたものになります。
大まかな流れはWindows11でも変わらないかと思うので参考にどうぞ。
マシン環境
cpu Ryzen5950X
gpu nvidia RTX4080
os windows10 pro
一番重要なのはgpuになります。
gpu無しでも出来るかと思いますがとてつもなく時間がかかると思った方がよいです。このことから推奨しません(当方もサポートしません)。
またgpuもなんでもよいわけではなくgtx1070、rtx2070、rtx3060これら以上のスペックを有するものでないと時間かかりますが気長に待てばよいだけです。
必要なソフト
すべて無料のソフトウェアです。
Anaconda(python 3.10系)
git for windows
visual studio code
CUDA Toolkit
cuDNN
ffmpeg
Rope
全部で7個のソフトを使い、環境を作る必要があります。
いずれもインストール程度なのでそこまで難しい作業はありません!
是非トライしてみてください!
注意点
注意する点が1つあります。
pythonが入っているAnacondaですが必ずpython3.10系のAnacondaを
使うようにしてください。
最新のバージョン(python3.12系)だと構築時にエラーが出てしまいます。
やっていることを理解してる方は大丈夫ですが見よう見まねで構築する方は必ずpython3.10系のAnacondaを使ってください!
各ソフトのダウンロードリンク
Anaconda(python 3.10系) Anaconda3-2023.03-1-Windows-x86_64.exe
※このバージョンに含まれるpythonは3.10.9なのでOKです。
※800MBほどのファイル
git for windows
Downloadボタンからインストーラーをゲットしてください。
※70MB弱ほどのファイル
visual studio code
CommunityとCodeがありますがCodeをダウンロードしてください。
※100MB弱程のファイル
CUDA Toolkit
CUDA11.8のダウンロードリンクです。Download Nowからダウンロードしてください。
※3GBほどあるのでかなり時間かかります。
<補足>
通常は上記11.8をダウンロードすればOKですが他のCUDAバージョンが必要な場合は以下からダウンロードしてください。
https://developer.nvidia.com/cuda-toolkit-archive
cuDNN
cuDNN8.5.0 for CUDA11.xのダウンロードリンクです。
※700MBほどのファイル
<補足>
通常は上記からダウンロードすればOKですが他のcuDNNバージョンが必要な場合はこちらからダウンロードしてください。
https://developer.nvidia.com/rdp/cudnn-archive
ffmpeg
7z形式で圧縮されているので対応している解凍ソフトが必要です。
※30MB弱のファイル
Rope
手順の中で自動ダウンロードするので事前用意は不要です。
インストール手順
上記の7個のファイル(Rope除くと6個)が準備できたら
インストールしていきます。
(1)git for windowsのインストール
画面に従ってインストールしてください。
インストール先の変更、インストール後の設定も不要です。
(参考)
バージョンによって画面異なるかもしれませんが
インストールで悩んだときは以下記事を参考にどうぞ
https://qiita.com/T-H9703EnAc/items/4fbe6593d42f9a844b1c
(2)visual studio codeのインストール
画面に従ってインストールしてください。
インストール先の変更、インストール後の設定も不要です。
(参考)
https://www602.math.ryukoku.ac.jp/Prog1/vscode-win.html
(3)CUDA Toolkitのインストール
画面に従ってインストールしてください。
インストール先の変更、インストール後の設定も不要です。
ファイルが大きいため10分から20分程度かかる場合あり。
このCUDAインストール後は必ずパソコン再起動をしてください。
再起動しない場合、次のcuDNNインストールが出来ません!
再起動後にコマンドプロンプトを起動し、
nvcc -V
と入力し、バージョン表示が出ることを確認してください。
※最後のVは大文字です!!!
少しバージョン情報異なりますが11.8でこんな結果がでればOKです。
どうしても上手くいかない時はこちらを参考にどうぞ
https://qiita.com/TrashBoxx/items/2e884998cd1193f73e2f
(4)cuDNNのインストール
画面に従ってインストールしてください。
インストール先の変更、インストール後の設定も不要です。
色んなサイトで「where cudnnXX.dll」の動作確認手順がありますがバージョンによってファイル名が異なり、エラーが出るので注意してください。
※インストール失敗はほとんどないのでこの確認は不要
(5)ffmpegのインストール
Cドライブにffmpegフォルダを作ります。
c:\ffmpeg
次にダウンロードしたffmpegのファイルを移動させてください。
※バージョンによってファイル名が微妙に異なります。
移動したffmpegのファイルを解凍します
解凍できるとこうなります。
ffmpeg.exeにパスを通します。
システム環境変数のpathを選び、編集を押します。
以下画面になるので「新規」を押して「C:\ffmpeg\bin」を入力します。
やり方が分からない場合はこちらを参考にどうぞ
パス設定が終わったらコマンドプロンプトを起動し、以下コマンドで動作確認してください。(確認方法も上記サイトを参考にどうぞ)
ffmgpeg -version
こんな結果が出ればOKです。
(6)Anacondaのインストール
<重要1>
anacondaのインストール時、必ず以下の「Add Python 3.x to PATH」のチェックボックスを有効にしてからインストールを行ってください。
これを忘れるとpythonのパス設定がなされず、Ropeが起動しません。
設定忘れたかも・・というときは有効にして再度install nowをすればOKです。(もしくは手動でpythonのパス設定をしてください)
正しく設定されているか確認する方法などこちらの記事に記載ありますので参考にしてください。
<重要2>
anacondaのインストール環境においてwindowsログインユーザ名に
日本語
スペース
これらが入ったユーザーを使っている場合はanacondaを正常インストールすることができないのでインストール先をデフォルトから日本語やスペースが入らないパスに変更してインストールしてください。
上記に合致しない方は普通に画面に従ってインストールしてください。
画面のまま(デフォルト)進めて問題ありません。
インストール後、Anaconda Navigatorが起動する場合ありますが
閉じてOKです。
正しくインストールされたか確認します。
スタートメニューからAnaconda3(64bit)内にあるAnaconda promptを起動し以下コマンドを入力しバージョン情報が表示されれば正常です。
python --version
バージョン表示例
何かエラーやバージョン情報が返ってこない場合はインストールが正しく行えていないので再度インストールするなどしてください。
(7)ropeのインストール
ここから少しややこしいのでゆっくり進めてください。
まずCドライブにdeepfakeフォルダを作ります。
c:\deepfake
deepfakeフォルダ内にさらにfaceフォルダとoutputフォルダを作ります。
c:\deepfake\face
c:\deepfake\output
こんな形にしてください。
ちなみにfaceには差し替える顔画像を入れるフォルダ
outputは完成した動画が入るフォルダになります。
次にコマンドプロンプトを起動し、c:\deepfakeフォルダに移動します。
cd c:\deepfake
上記コマンドで以下になります。
以下のコマンドをコピペしてください。
git clone https://github.com/Hillobar/Rope.git
手入力するとタイプミスが起こりうるので出来る限りコピペ推奨。
コピペしたらエンターを押すとRopeのダウンロードが開始されます。
正常にダウンロードできるとdeepfakeフォルダにRopeフォルダが作成されます。
次にスタートメニュからAnaconda3(64-bit)内にあるAnaconda promptを起動します。
そしてc:\deepfakeフォルダに移動します。
cd c:\deepfake
プロンプトが以下画面のように変わります。
※(base) c:\deepfake>になっていればOKです
Anaconda promptで以下コマンドを実行してください。
python -m venv venv
上記コマンドを実行するとc:\deepfakeフォルダにvenvフォルダが出来るのでvenvフォルダがあることを確認してください。
次にC:\deepfake\Ropeフォルダにある「requirements.txt」を開き、
以下のように変更して保存してください。
変更前ファイル
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