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小説

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2022年6月の記事一覧

みどりちゃん u6

みどりちゃん u6

 ・・・・・・

 わたしが目を覚ますと、やはりもう兄は部屋をでていて、そこには誰もいなかった。

 わたしは歯磨きだけをして、服を着かえるとそのままもう家を出ることにした。

 わたしは何も持たず玄関まできて、靴を履くために座った。

 わたしの靴をとって足をいれたそのとき、ガチャリと目の前で扉がひらいた。外のほうが明るいようで、そこに立つ謎謎くんは光に溶けてとっさには見えずらかった。

「謎謎

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みどりちゃん u5

みどりちゃん u5

 わたしたちは、海へ到着した。

 海とは云い条、砂浜ではなく港である。わたしはどっちも好きだけれど、兄は港の方が好きなのである。なぜなら、ほら静かにすると聞こえてくるでしょう。波が港のわきにぶつかって とぽん とぽん どぽん となる音が。これが耳に響いて心地よいのだそうだ。

 わたしたちは鎖をまたいでコンクリートの岸に足をさげて座った。

 きょうは早朝に水族館へ、それから両親の家を出てこの町

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