一人ひとりの心のもち方、平和というのは。
そう言ったのは、
三線職人の銘苅春政さんだ
(先日の『情熱大陸』)。
「子供が転んだら手助けして
『大丈夫ね?』
というのも今はないわけよ」
と嘆いた。
本当にそうかは分からないが、
見知らぬ者同士のそんな思いやりが
希薄になっていることは確かだ。
それは、
「人間の情って薄くなるわけ」という
銘苅さんの言葉に
頷くほど寒い。
■隣の人に優しく
バイデン米国大統領が来日しても、
話題は他国から攻撃されたときに
いかに反撃するかの戦略ばかり。
地球全体が好戦的になっている感は否めない。
そんなとき、私はnoteでも書いた
つぎの一節を思う。
隣の人に優しくするのが、
平和への一歩。
一見あいまいなこの言葉が、
銘苅さんの思いを聞いたとき、
強さを増すのを感じた。
*
人に体当たりしながら満員電車に
乗り込む意識には呆れるが、
電車の座席に座る際も、両隣の
人に衝撃を与えないよう、
ゆっくりと座れないものだろうか。
座る人の顔の前に出される雨傘の先、
これはなぜできるのだろう。
満員電車では、スマホの先が
背中に当たる。
電車を降りれば、
雨傘の先が、今度は後ろを歩く人の
鼻先に向けられても平気だ。
歩き出せば、歩きスマホだが、
これも周囲への優しさがあれば
しない。
キャリーバッグは
それ以上の危険を周囲に振りまいて
何ごともないように進む。
そして、「心のもち方」と言えば、
SNSの匿名のクレーマーたちの
心すらない批判。
結局は、
「自分がよければいい」
という心が蔓延するいま、
世のなかの空気が平和に背を向けても
もう、なす術がない、
という気持ちだ。
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