私はこのまま死ぬまで誰に対しても、本当の意味で心を開かないまま生きていくのかしら?
と自分自身に問いかけたのは、
一人暮らしを続ける小泉今日子さん
(16年発行の『黄色いマンション 黒い猫』)。
9年間暮らした愛猫・小雨だけが
「私の全てを知っている」と言う。
周囲に誤解されたまま生きているような私の
裏表は、辛うじて妻だけが知るが、
「心を開く」という行為は、
ドラマなどでは、殻に閉じこもった人物が、
ようやく口を開くようなときに
使うことが多い気がする。
心を開く
あるいは、
普段、人に見せない一面を見せ、
抱える苦悩を打ち明けたりするようなことも
「心を開く」と言えるのだろうか。
仮にそうだとしたら、
いったい人はどこまで、
何人に、
心を開いて生きようとしているのか、
していないのか。
私も、おそらくいろんな
誤解をされたまま、
一人を除いて、
「本当の意味で心を開かないまま生きていく」。