手づくりサンドイッチのランチタイム、イン・ジ・オフィス。#レトリカル食レポ
しっとりとしたパンドゥミの
やわらかさを指先に感じながら、
待ちきれずに口に運ぶと、
はさんだばかりの新玉ねぎの
シャリッとした音が、
レタスのパリッと感が、
耳をとらえる。
すると、
パンにぬったマスカルポーネチーズが、
舌を包み込むようにとろけだして、
クリーミーな甘みを広げたかと思うと、
生ハムのほどよくエッジの効いた
塩味がパパッと舌先で踊る。
鼻にとどく生ハムの香りに気づきながら、
歯ざわりと舌ざわりと香気を
ギュっとしたパンの厚みが受けとめて、
さらに噛みしめれば、
甘みと塩味がひとつに、あるいは
別の甘さになって、
スイーツにさえ似た口あたりに
分かれたかと思えば、
つぎの瞬間、
ドミンゴ農園のコロンビア豆を挽いた
コーヒーが、
別の世界の豊潤なビター感で
口をいっぱいにした。
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