頭はダメと言っとるけど、心が行けって叫ぶの。
出会って間もない愛娘・音(二階堂ふみ)に突然、
求婚してきた裕一(窪田正孝)を
「1曲しか認められてないヒヨッ子」と断じながらも、
仲睦まじい二人の真剣な姿を見て
「それでもあなた(裕一)に託す」と
強く言い切った母・光子(薬師丸ひろ子)の言葉です
(昨日の『エール』)。
日々、選択を迫られる人生で、
頭は理屈によるブレーキをかけ、
心は理屈を度外視した希望をほとばしらせます。
独立したとき私は、緻密な売上計画を立てませんでした。
つまり“成功は約束されてないぞ”と頭は言っていたのですが、
“一人でやりたい”と叫んでいた心に従ったのです。
でも、どちらを選ぶかは、その方の人生設計によります。
どちらが正解とも、「やらない後悔の方が大きい」とも
私は思いません。
それでも薬師丸ひろ子さんの熱演が投じた
冒頭の一言に私は、
どうしようもない人間の、
逃げることのできない真実を感じました。