いいね・フォローのせいで会話が楽しくない。Z世代が新たに集う場「Discord」【ポッドキャスト番組『グローバル・インサイト』文字起こし】
海外のトレンド、若者の間で生まれる新しい価値観を、各国で暮らす編集者・ライターがお届けするポッドキャスト番組『グローバル・インサイト』。この番組ではリスナーからの反響が大きかった人気エピソードの文字起こしをnoteで配信しています。
今回は『いいね・フォローのせいで会話が楽しくない。Z世代が新たに集う場「Discord」』の回を文字起こししました。
友達や知人とコミュニケーションをするための場といえば、TwitterやInstagramなどSNSを思い浮かべるでしょう。しかし、Z世代のような若い人たちの多くは今、「いいね」や「フォロー」のボタンがデフォルトでついているSNSでは気軽に会話を楽しめないと感じています。
では、彼らはどこで会話をしているのか? 今回はこの文脈で外せないアメリカ発のチャットサービス「Discord」をご紹介し、Z世代コミュニケーションのニューノーマルを探ります(出演:岡徳之 / 写真:Discord)。
Z世代のSNS離れ?
友達や知り合いとコミュニケーションするための場といえば・・・? TwitterやInstagramなど、SNSを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし今、Z世代のような若い人たちにとって、それが変化しつつあるんです。
彼らにとって、SNSは、インフルエンサーをフォローしておくための場。だけど、「いいね」や「フォロー」のボタンがついているから、会話を気軽には楽しめない、そう感じている人が多いんだそうです。
では、彼らはどこで会話をしているのか・・・? この文脈で外せないのが、アメリカ発のチャットサービス「Discord」です。
要注目の「Discord」とは?
日本ではあまり知られていないかもしれませんが、英語圏のZ世代の間ではスタンダード、そう言っても過言ではないほど、広く利用されています。
この「Discord」は、音声チャットやテキストでやりとりできるプラットフォーム。もともとはeスポーツの発展とともに拡大してきた経緯があるため、「ゲーマー向けのチャットサービス」というイメージを持つ人も少なくないかもしれません。
Discordの特徴は、サーバー内で音声チャットやテキストのやり取りが起こる「クローズドな」コミュニティであること。ゲームや音楽などテーマごとにサーバーがあり、興味関心ごとにユーザーが集う空間となっています。
当初、利用者のほとんどはゲーマーだったんですが、インフルエンサーも利用するようになり、徐々に変化していきました。
YouTubeやInstagramとの違いは?
YouTubeやInstagramにもコメント欄があり、コミュニティ醸成の場として使えそうなイメージですが、荒らしや煽りコメントが多かったり、コミュニティ以外のコメントでスレッドがとぎれたり・・・。
そうした理由から、「コミュニティ醸成の場」として、Discordが利用されるようになったんです。
TechCrunchによると、月間アクティブユーザー数は2020年中に2倍近く増加し、1億2000万人に到達。1日のダウンロード数が80万回を記録した日もあるそうです。
Discord、Z世代を中心に若い人たちのハングアウト空間として拡大していますが、今後、他の世代の人たちも多く利用するようになるかもしれません。
編集者/Livit代表 岡徳之
2009年慶應義塾大学経済学部を卒業後、PR会社に入社。2011年に独立し、ライターとしてのキャリアを歩み始める。その後、記事執筆の分野をビジネス、テクノロジー、マーケティングへと広げ、企業のオウンドメディア運営にも従事。2013年シンガポールに進出。事業拡大にともない、専属ライターの採用、海外在住ライターのネットワーキングを開始。2015年オランダに進出。現在はアムステルダムを拠点に活動。これまで「東洋経済オンライン」や「NewsPicks」など有力メディア約30媒体で連載を担当。共著に『ミレニアル・Z世代の「新」価値観』『フューチャーリテール ~欧米の最新事例から紐解く、未来の小売体験~』。ポッドキャスト『グローバル・インサイト』『海外移住家族の夫婦会議』。
読んでいただき、ありがとうございました。みなさまからのサポートが、海外で編集者として挑戦を続ける、大きな励みになります。