「コンテンツマーケティング、なにから手をつけたらいい?」と迷ったときにオススメの考え方
「自社のマーケティングを強化していこう」というときに、Webサイトやブログなど自社メディアでの情報発信、つまり、コンテンツマーケティングを始めたいという人は少なくないでしょう。
一方で、コンテンツマーケティングにかぎらず、なにか新しい手法に触れると「なにをするのが正解なんだろう。新しいツールやフレームワークをイチから学ばないといけないのではないか」と、手が止まってしまう人もいるはず。
そんな方にオススメなのが「社内で1番デキる営業マンの分身を作る」という考え方です(Photo by Jason Goodman on Unsplash)。
どういう考え方?
たしかに、ペルソナ読者の設定、カスタマージャーニーの可視化、営業のボトルネックの特定、発信すべきテーマや企画、コンテンツを制作するための体制作り、SEO、リードマネジメントのためのツールの用意など、新たに考えなければいけないことはたくさんあります。
しかし、結局のところ、もともとやりたかったのは、自社の製品やサービスの販売や受注を促進すること。それを、一部の営業マンやその人のスキルに依存した属人的なアプローチではなく、コンテンツを通じて組織的、効率的に行いたいということだったはず。
だとすれば、社内で1番デキる営業マンの頭の中を棚卸しすることから始めれば、社内の知見がオンライン上に再現され、潜在顧客に見つけてもらいやすくなる。あるいは、その人のベストプラクティスを社内に広げ、営業人材の育成にもつながるかもしれません。
そのためにすること
まずは、社内で1番デキるとみなさんが思われる営業マンに1時間、いや30分でも時間をもらってみるのはいかがでしょうか?
そしてそこで聞くべきは、
1. 最も重要かつ販売や受注につながりやすい顧客はどんな人か
2. その人は課題の顕在化から購入や発注に至るまでどのようなプロセスを経るのか
3. そのプロセスの各段階で営業マンの人はその顧客になにを語っているのか
4. たとえデキる営業マンであっても商談後に失注してしまう理由はなにか
もし、その営業マンの人があまりにも多忙な場合は、その人が普段使っている営業資料などのツールやウェビナーの動画を見せてもらったり、可能であれば、営業に同行させてもらうとヒアリングしたかった内容やそれに対する潜在顧客の反応までも見えてくるかもしれません。
いい副作用
この「社内で1番デキる営業マンの分身を作る」ことのいい意味での副作用は、社内で1番デキる営業マンでさえも感じている課題を見つけ、それを解決するようなコンテンツのアイデアを得られることです。
どんなにできる営業マンであっても、質の低いリード=見込み顧客であれば、それを受注にまでつなげることはなかなか難しいはず。
であれば、質の高いリードとはどのようなものか、見込み顧客をどのような状況にまで導くことができれば受注率は高まるのか。ヒアリングを通じて、そうした洞察を得ることができれば、その営業マンや営業チームの生産性をさらに高めることもできるはずです。
やってみよう!
逆にこの「社内で1番デキる営業マンの分身を作る」というアプローチのデメリットは、その営業マンの知見がそのままコンテンツの質の上限になることです。
どんなにデキる営業マンであっても、なにかしらのバイアスや先入観にとらわれているはず。その営業マンも、実は重要なターゲットセグメントを見落としているかもしれません。
そうしたデメリットがあるということを認識したうえで、それでも「コンテンツマーケティングはなにから始めたらいいか」と思いあぐねている人は、この「社内で1番デキる営業マンの分身を作る」というアプローチがいい取っ掛かりになるのではないでしょうか?
編集者/Livit代表 岡徳之
慶應義塾大学経済学部を卒業後、PR会社に入社。独立し、ライターとしてのキャリアを歩み始める。その後、記事執筆の分野をビジネス、テクノロジー、マーケティングへと広げ、企業のオウンドメディア運営にも従事。2013年シンガポール、2015年オランダに進出。現在はアムステルダムを拠点に活動。これまで「東洋経済オンライン」や「NewsPicks」など有力メディア約30媒体で連載を担当。共著に『ミレニアル・Z世代の「新」価値観』『フューチャーリテール ~欧米の最新事例から紐解く、未来の小売体験~』。ポッドキャスト『グローバル・インサイト』『海外移住家族の夫婦会議』。現在アムステルダムで日本産ワインの輸入販売業を立ち上げ中。