オランダ・アムステルダムで家を探す方法、引っ越し11回の経験者に聞く(賃貸編)【6600文字】
日本からオランダに移住する人が、コロナが落ち着いてからまた増え始めています。一方で、オランダ、特にアムステルダムでは住む家が不足しており、移住すると決めたものの、家探しに苦労している人が少なくありません。
そこで今回は、オランダ在住歴5年半の間に、アムステルダムで11回も引っ越しをした経験者である友人の「A.K.さん」に、アムステルダムでの家探しのコツを教えていただきました。
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家探しは「サバイバル」
岡:今日はお時間ありがとう。
A.K.:いえいえ。
岡:最近、結構またオランダに引っ越す人が増えてるのかな?
A.K.:へえ、やっぱりそうなのかな?
岡:「アムステルダムで家を探しているんだけど困っていて、岡さんが現地に住んでいると聞いて連絡しました」みたいな。
A.K.:うんうん。
岡:でも、僕自身が賃貸用の家を探したのって、たぶん5年前とかが最後なんだよね。あのころからますます大変になっているんだろうし。
A.K.:たしかに。
岡:ということで、僕の身のまわりで一番引っ越している人である、A.K.さんに声をかけさせてもらったのよ。
A.K.:アハハ(笑)。だけど、私の話って一般的な人にとって参考になるのかな、とちょっと思っていて。
岡:というのは?
A.K.:普通に会社に勤めていたりとか、ある程度収入があれば、家賃の3倍以上とかの収入証明を出せるじゃないですか? そこで引っかかっていた部分も、私は結構あったので。
岡:たしかに、日本企業の駐在員の人とかってもちろん苦労しないのよね。でも、僕に相談してくれる人ってだいたい、フリーランスだったり、ワーキングホリデーだったり、あるいは「アルバイトで頑張って生計立てています」っていうような人たち。学生さんもそうだけど。
A.K.:はい、はい。
岡:だから、むしろA.K.さんのような、サバイバルな家探しの話を聞きたくって。
A.K.:なるほど、だから呼ばれたんですね(笑)
引っ越し経験、なんと11回
岡:まずは、「このインタビューに答えてくれているのはどんな人なんだろう?」っていうのを読んでいる人に伝えたいなと。A.K.さんって今、オランダに来てどれくらいなんだっけ?
A.K.:2018年の夏、9月に来たので、5年半ぐらいですかね。
岡:そのときは、きっかけはなんで来たんだっけ?
A.K.:留学です。
岡:美術系の大学だよね。
A.K.:そうそう。
岡:そこから紆余曲折あって、最近はいろんなお仕事をしているけど、最初からアムステルダムに住んでいるよね?
A.K.:はい、最初からアムステルダムです。
岡:アムステルダムで何回引っ越したの?
A.K.:1回、2回。で、3回目は引っ越そうとしたけどそこはダメになって、その後は居候だったので、それは引っ越しには入らないですよね?
岡:それも入るよ。
A.K.:3回目の引っ越しで入ろうした家がダメになって、居候で何人か友達の家に住んで、そのあと、サブレットの家の中で部屋を2回移動しているんですけど。
岡:なぜ(笑)
A.K.:それもカウントして、ちょっと大げさに言うなら、それで10回。そのあと、今の家に引っ越したから11回ですね。
岡:すごいね、本当に。
A.K.:私もあまりそういう人見ないですね(笑)
岡:A.K.さんが今まで住んだエリアとしては、あんまり郊外とかに引っ越したイメージがなくって。
A.K.:一回だけ「Ijburg(アイブルグ)」っていう、郊外ではないけど、埋め立ててできた島に住んで。だけど、あとは結構、内側に住んでいたかな。
岡:観光地とかシティーセントラルから、だいたい自転車で15分とか20分くらいで行けるところに住んでいるイメージがあるなあ。
A.K.:そうですね。
岡:いや、ほんと身のまわりで過去最多だよ。今後もこんな人現れないんじゃないかなっていうくらい。
引っ越さないといけなくなる理由
岡:たくさん引っ越してきたけど、それぞれの引っ越さなくちゃいけなくなった理由とか、きっかけ、タイミングってなんなのかな?
A.K.:3つあって。1つ目は、学生寮みたいなところに住んでいたときに、学生が終わったので引っ越さないといけないっていうのがあったのと。2つ目は、サブレットで家主が戻ってきたから引っ越さないといけなかったのと。
岡:家主が「家を売ることにしたから、来月出ていって」みたいなのもあるよね。
A.K.:3つ目は、オランダに来て、まだすぐのころ、「ネズミ問題」で自分の意思で引っ越したことがあって。
岡:ネズミ、本当に多いよね。
A.K.:まさかネズミが出るだなんて知らなくって、びっくりしすぎて受け入れられなくって引っ越したって感じです。
岡:最初はびっくりするよね。そのうち慣れるんだけど(苦笑)
A.K.:そうですね。あっ、あともう1つ、引っ越さないといけなくなった理由を思い出したんだけど。
岡:なに?
A.K.:引っ越そうと思っていた家があったんだけど、私が引っ越す直前ぐらいに、その家のオーナーにアムステルダム市から連絡があって。本当はあと2人しか住所登録をさせたらいけなかったのに、違法で4人登録させていたのがバレて。
岡:ええ!そのときって、A.K.さんも罰金を払ったりしたの?
A.K.:私はさすがに払わなかった。まだ引っ越しもしてなかったし。だけど、オーナーじゃない、前から住んでいた人は払っていたけど。
岡:っていうことは、借りる側も貸す側のルールをある程度知っておいたほうがいいのか。
A.K.:だから、家を貸す人に「いいよ、貸すよ」って言われたからって、本当に大丈夫かどうかは、特に「ちょっと怪しいところがある」と感じるときは、必要な情報を取りにいかないといけない。
岡:「ちょっと小遣い稼ぎしようかな」と思っている家主は、「バレなきゃ大丈夫」とかいいそう(苦笑)
A.K.:そうそう、あると思う。
アムステルダムの家探しが難しい理由
岡:アムステルダムで家を探すって難しいでしょう? 僕もオランダに来たとき(8年前)、あまりにも大変で、それで最初の3年はハーグに住むことにしたんだけど。
A.K.:うん。
岡:最近って、ますますアムステルダムの家探し、大変になっているんじゃない?
A.K.:なっていると思う、家賃が上がっているっていうのもあるし。この5年とかでアムステルダムに引っ越してくる人がたぶん多すぎて、オランダ人も郊外に出て行っているみたいな話も聞くくらい。
岡:家賃の上がり方はどういう感じなの? 例えば、一人暮らし用の1Kみたいな。
A.K.:そういう部屋には一回だけ住んだことがあるんですけど、それが「Ijburg」っていう郊外に住んでいたときで、2018年に1カ月で1500ユーロだったかな。
岡:うん。
A.K.:でも、それは2018年なので、たぶんそこから200〜300ユーロぐらい上がっていてもおかしくないとは思う。
岡:それか、一人暮らしじゃなくって、シェアってことだよね?
A.K.:そう。私なんかは、できれば600〜700ユーロ台で家賃を収めたいって思っていて。そうすると、結構人伝いで探して譲ってもらうっていう感じで。
岡:はい、はい。600〜700ユーロって、日本円にしたらいいお金だよね(苦笑)
A.K.:私が今住んでいる部屋は、たぶん5年間で200ユーロぐらいは上がっている。
岡:いやあ、大変だね。
アムステルダムで家を見つける5つの方法
岡:今さっき、「結構人伝いで」みたいな話があったけど。じゃあ、なにかしらの理由で引っ越さないといけなくなりました。A.K.さんはまずなにから始める?
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