見出し画像

ティンダーの自己紹介文が物語る「Z世代が異性に求めるもの」 恋愛と政治がより密接に?【ポッドキャスト番組『グローバル・インサイト』文字起こし】

世界のビジネス・テクノロジー・ライフスタイル・カルチャーのトレンドを、世界各地の編集者・ライター・クリエイターが現地からお届けするポッドキャスト番組グローバル・インサイト

この番組では、「ポッドキャストの中身は気になるけど、ゆっくり聴く時間が取れないよ!」という方のために、リスナーさんからの反響が大きかった人気エピソードの文字起こしをnoteで配信しています。

今回はティンダーの自己紹介文が物語る「Z世代が異性に求めるもの」 恋愛と政治がより密接に?の回をお楽しみください。Spotifynoteでのフォローもお待ちしております(Photo by Kon Karampelas on Unsplash)。

 独身の行武さん、ティンダー使ってますか?

行武 「独身の」っていうのが気になったんですけど(苦笑)。使ったことはありますけど、今は彼女がいますしアプリもないですね。岡さんは?

 やってるわけないじゃないですか!既婚者をそそのかさないでください(苦笑)。

行武 失礼しました(笑)。

 ティンダーで異性から声がかかるようになるためのコツとかってあるんですか?

行武 ああ、聞いたところでは、写真は趣味とかライフスタイルが見えるもの、自分だけじゃなくて友達と映っているものも加える。紹介文は簡潔に、絵文字を入れる、自分と求めている相手の情報をどちらも入れる、オープンクエスチョンを最後に入れて、メッセージを送りやすくするとかってあるみたいです。

 おお、さすが使いこなしている人は違う。

行武 だから、使ってないですって(苦笑)。あくまで「リサーチの結果」です。

 そんなティンダーなんですが、年に一度、アプリを利用した人の特徴や行動に関するレポート『イヤー・オブ・スワイプ』を発表しているんです。

行武 へえ!知らなかった。最近はどんな傾向があるんですか?

 気になります?

行武 ただ興味があるだけです(苦笑)。

 最新版は2019年版で、去年1月から11月の間、ユーザーのアプリの使用状況と自己紹介のデータを収集、分析したものです。

行武 なるほど。

 それで、昨年のレポートから見えてきた、主にZ世代の特徴なんですけど。

行武 なんでしょう?

 自己紹介で使われる言葉で圧倒的に多いのが「信念」「目標」

行武 意識高い!

 そうなんですよ。「よりよい世界を築きたい」という気持ちでだれかとつながりたいという。ティンダーは彼らのことを「活動家世代」と呼んでいます。

行武 異性の好みとか共通の趣味とかじゃなくって。

 そうなんです。例えば、「旅行」という言葉を自己紹介で使っている人って、ミレニアル世代の3分の1しかいないんだそうです。

行武 へえ、でも「信念」とか「目標」って具体的にどんなことが書いてあるんですか?

 Z世代の自己紹介に多く登場した言葉が、「気候変動」「社会正義」「環境」「銃規制」

行武 すみません、これってティンダーの自己紹介文ですよね?(苦笑)

 そうです(笑)。しかも「気候変動」と「環境」という言葉を使う頻度は、Z世代のほうがミレニアル世代より66%も高かったんだそうです。

行武 まさに「グレタ世代」

 それと、これは「OKキューピッド」っていう別のマッチングサービスなんですけど、2017年に、ユーザーに「パートナーに求めるのは『セックス』か『政治における相性』か?」っていう質問をしたそうなんです。

行武 愚問でしょう(笑)。

 (笑)。約1年間で450万人以上がその質問に回答したそうなんですが。

行武 はい。

 ベビーブーマー、X、ミレニアル世代が明らかに「セックス」を選ぶ一方で、Z世代はほぼ半々という結果が出ているんです。

行武 ということは、同じくらい大事だと。それほどZ世代は政治に興味がある。

 みたいです。ミレニアル世代は「ミー・ジェネレーション」、自分を中心に考える世代と呼ばれていたけど、Z世代は「トゥルー・ジェネレーション」、真実を追求する世代なんですね。

行武 かっこいいな。それが恋愛観にも反映されていると。「あなた、環境問題に興味ないの?そんな男なんかとはデートしない」って言われるようになるんですかね。

 そうかもしれませんね。僕らミレニアル世代も意識を変えないといけません。行武さん、この収録終わったら、すぐにティンダーのプロフィール、更新してくださいね!

行武 だから、使ってないですって!(苦笑)。

編集者/Livit代表 岡徳之
2009年慶應義塾大学経済学部を卒業後、PR会社に入社。2011年に独立し、ライターとしてのキャリアを歩み始める。その後、記事執筆の分野をビジネス、テクノロジー、マーケティングへと広げ、企業のオウンドメディア運営にも従事。2013年シンガポールに進出。事業拡大にともない、専属ライターの採用、海外在住ライターのネットワーキングを開始。2015年オランダに進出。現在はアムステルダムを拠点に活動。これまで「東洋経済オンライン」や「NewsPicks」など有力メディア約30媒体で連載を担当。共著に『ミレニアル・Z世代の「新」価値観』『フューチャーリテール ~欧米の最新事例から紐解く、未来の小売体験~』。ポッドキャスト『グローバル・インサイト』『海外移住家族の夫婦会議』。


読んでいただき、ありがとうございました。みなさまからのサポートが、海外で編集者として挑戦を続ける、大きな励みになります。