人からなにか相談されたときに気をつけたいこと「実は相談じゃない」
「今回のインタビュー記事は、この経営者の生い立ちに焦点を当てるということで、大丈夫だと思いますか?」
こう尋ねられると、「ああ、自分の中ではまだ答えが出ていなくて、僕に判断を委ねたいのかな」と、僕は受け止めてしまう。他の人もそうであってほしいと思うのだけど。
そこで、「たしかに、この経営者の生い立ちは面白い。だけど、この人のことを知っている読者はそう多くない。なら、他の切り口を探ったほうがいいのでは?」と投げかけてみる。
すると、「でも・・・」と返ってくることがある。そこで僕はようやく気づく。「なんだ、すでに答えは出ていたんだ」と。
すでに答えが出ていることに対して、僕から “余計な” ことを言われたものだから、相手は僕に対して「話をややこしくした」と感じたかもしれない。
一方で、僕は「自分に判断を委ねられたのだから」と、「よかれ」と思って、そして、一定の責任感を持って、「助言してあげたのに」と思ってしまう。
こういう「会話の地雷」は、仕事にかぎらず、生活のありとあらゆる場面に散りばめられている。
「これでいいと思う?」「うーん、どうだろう。こっちのほうがいいんじゃない?」「えっ、でも・・・」
だから、人からなにか相談されたときには、一呼吸置きたい。「そもそもこれは相談なのか」と。それがなかなか難しいんだけど。
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