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③【実録】僕たちは、家にいながら旅に出た。 (トラベル≒トラブル?)

リモートトラベルの1日目は、「リモートトラブル」と言い換えてもおかしくない波乱の連続だった。

最悪4〜5人の参加だったとしても、YouTubeでアーカイブしてそれを展開していけばいい……なんてことを考えていたのだけど、予想を上回る20人近くの参加予約が入った初日。

「やばい、なぜか貼り付けたURLから入れない」
「やばい、なぜかZoomの部屋分け機能が使えない」
「やばい、なんか色々ばたばたしててやばい」

こんな調子のスタートに付き合ってくださった、最初の旅の行き先「LittleJapan」のオーナー柚木さんには頭が上がらない。


LittleJapanは5月時点で既に、事業形態をゲストハウスからシェアハウスへと切り替えていた。
イメージしにくい方のために簡単に説明すると、ゲストハウスは「宿」で、シェアハウスは「家」。宿泊ではなく、長期的に住むための施設にするということだ。

確かに「不特定多数の人の出入りが減らせる」「家から出なくても住人同士で交流できる」というメリットはあるにしても、ずいぶん思い切られたなぁ、と思う。

自分で宿を開く前に、世界を旅したりゲストハウスに住み込みで働いていた柚木さん。そんな柚木さんの旅の思い出は、世界遺産や綺麗な景色よりも、人との出会いや交流だったという。

共用キッチンで一緒に料理を作って食べたこと。
筆談で一生懸命コミュニケーションをとったこと。

自分自身が旅で出掛け回るよりも、色んな所から来た旅人を迎えて話すのが楽しかった。そんな空間を作りたかった、という。

いま、コロナの影響で世界から強制帰国を余儀なくされたり、旅に出たくても出られない人たち。彼らが一緒に住めれば、小さな“旅“の空間が出来上がるのではないか。

そして、今までのような移動が長期的に制限されるであろうこれからの時代。不特定多数ではなく、特定の安心・信頼できる仲間が集まるコミュニティが大事になってくると、柚木さんは語ってくれた。


ゲストハウスという形態に拘らず、新しい“旅“と“場“づくりのために、大きく舵を切ったLittleJapan。

旅に出たくても出られない旅人の「旅したい欲」を解消したいという、リモートトラベルの方向性や意義を再確認できた夜になった。

LittleJapanが、リモートトラベルの出発地点で本当に良かったとつくづく思う。


その日の夜、反省会と作戦会議は10時過ぎまで続いた。率直に言って、準備不足は否めなかった。

でもこの夜をきっかけに、リモトラは一気に「チーム」になっていったと思う。

出演してくださるゲストハウスを交渉してくれる人。
イベントページやバナー画像を作ってくれる人。
Zoomの録画や操作をサポートしてくれる人。

それぞれがこのリモトラの中で出来ることや役割を見つけ、走り出したばかりの危なっかしい旅に加わってくれた。

そう、それはまるでシェアハウスの家事を分担していくかのように。


2020年5月1日。こんな風にして、「5月中毎日開催!」と銘打ったリモートトラベルはスタートを切った。


〜つづく〜


LittleJapanがはじめた新しいコミュニティ「シェア街」のクラウドファンディング。ぜひ参加してみてください!




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