動物を飼うこと
子どもの頃から動物が大好きで、何度か犬を飼ったことがある。
大人になってから、友達の紹介で、アイヌ犬の母親を持つ雑種の雄犬(マル)を飛騨高山まで迎えに行ってもらってきた。
まだ子供が生まれる前のこと。
マルはその後15年生き、一昨年天寿を全うした。
マルが来てから生まれた我が家の子供たちもすっかり成長し、本気で彼の死を悲しんでいた。
ペットという言葉はあまり好きではない。
日本語に言い換えると、「飼い犬」とか「飼い猫」になるのかな。
他にしっくりくる言葉が見当たらないので、取り敢えずペットと呼ぼう。
マルが亡くなってちょうど1年後、親しくしていただいている方から「知人の家で猫が生まれ、飼ってくれる人を探している」との連絡をもらった。
これまで、猫は一度も飼ったことがない。
それでも「取り敢えず見に行こう」ということで、家族全員を乗せ自動車で自宅から30分ほどのそちらのお宅に向かった。
着いてみると、段ボール箱の中に入ったお母さん猫の廻りに4匹の、生後1ヶ月ほどの子猫ちゃんたちが、、、。
そのうちの1匹はすでに貰い手が決まっているとかで、その場で残りの3匹のうち2匹を連れて帰ることに。
まあ、そうなるよね。
途中、ペット売り場のあるホームセンターで猫専用の離乳食を買い、その夜から仔猫育てが始まった。
動物の赤ちゃんの成長というのは、人間の赤ちゃんとは比べ物にならないほど早いもので、あっという間に立派な子猫に成長、半年ほど経った今ではすっかり体も大きくなり、我が物顔で家の中を歩き回っている。
犬もそうかもしれないけれど、特に猫は複数で飼う方がいいように思う。
2匹はオスとメスの兄妹で、いつも一緒にいて戯れて遊んだり寄り添って寝たりとても仲が良い。
どちらかの姿が見えないと、「ミャー、ミャー」と呼び合って探したりする。
猫たちが来て、一番変わったのは子供たち(親も)かな。
世話もしなければならないけれど、一緒に遊んだり布団で寝たりして、優しい気持ちを持てるようになったように思う。
ペットを飼うということは、当然責任も生まれるし時間的な制約も発生して大変な面も多いけれど、それ以外では得られない喜びも大きい。
特に子どもの頃に動物を飼っていた経験は、嬉しいことも悲しいことも、その後の人生を豊かにしてくれると信じている。
自分もそうだったように。