最好映画。208 「英雄 - HERO -」2002年。
人情ものが多かったチャン・イーモウ監督がいきなり放った武侠映画。撮影クリストファー・ドイル、衣装ワダエミ、音楽タン・ドゥン、アクション監督チン・シウトン、主演ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツイィー、ドニー・イエン。当時最強!な才能で作られた傑作だと思ってます。「グリーンディスティニー」(2000年)とスタッフ被ってるんですが、私はこちらの方が断然好きです。お話は、秦の大王(のちの始皇帝)のために脅威となる刺客たちを打ち倒した片田舎の役人が、秦王の前にたどり着くところから始まります。どのようにして稀代の剣客たちを倒し、ここまできたのかを語る「無名」の役人。彼の嘘を暴く秦王。本当に倒したのか?それとも策略なのか?無名が語る話は時間につれて変わっていく・・「羅生門」アプローチってことなんですが、何よりも映像が素晴らしい。ウォン・カーウァイ作品「欲望の翼」「恋する惑星」で大好きなクリストファー・ドイルが落ち着いたカメラワークをしているだけでもびっくりなんですが、フォ・ティンシャオとイー・チェンチョウのプロダクションデザインによって、色味によってシーンと気持ちを分けるというとんでもないアートディレクションが見れます。衣装からセットまで赤・緑・青・白・黒に染め上げて、自然の景色にも溶け込む撮影とワイヤーアクションを縦横無尽に味わえます(⌒▽⌒)。ここまでの映像コントロールを堪能できる映画はなかなかないと思います。この後に「LOVERS」(2004年)でもほとんど同じスタッフと組んでいるのに、この「英雄 - HERO -」とは味わいが全然違っていました。やっぱり凄い映画です。「初恋のきた道」の監督が武侠映画〜〜?って思って観たのも事実で、鑑賞後は尊敬しかありません笑。iTunesで発売されたので、お時間あれば是非〜!