最好映画。 098 「ゼイリブ」 1988年。

アイデア面白いことこの上ないB級SF映画。監督ご本人がおっしゃってるので、「B級」でいいみたいです。世界は宇宙人に支配されていることを知らず、レジスタンスがその正体を見破るサングラスを作り続けている。偶然手に入れた主人公が、サングラスをかけた瞬間に見たモノクロの世界が最高です。屋外広告や雑誌の中で見えてくるのは「従え」「考えるな」「消費しろ」「子を産め」という意識レベルで訴えてくる命令。80年代問題になった「サブリミナル」広告を逆手に取った物語。金持ちや警察官がみんな宇宙人で、サングラスをかけて真実を見てしまった主人公がそれを倒しはじめます。主役のロディ・パイパーは現役プロレスラーのまま監督が見初めたそうで、カラーの世界では殺戮者ですが、モノクロの世界ではヒーロー。いろいろ逆手に取ったアイデアに膝を打つこと請け合いです。仲間を増やすべく友人にサングラスをかけさせるために16分も殴り合うのは、彼のためでしょうw（本編が94分の、16分！）2019年に急にBlu-ray化されたので買ってしまいましたw2015年に監督が振り返るインタビューが付いているのは必見です。「自分にとって大事なものを守るためには戦うこと」。至言です。ずーっと繰り返すメロディの音楽を自分でやっちゃうのがこの頃のカーペンター映画にはよくありました。どんな映画でも「ジョン・カーペンターの〜」と監督の名前がタイトルにつくのは昨今見ないですもんね。「ゴーストハンターズ」大好きです。

Zei ribu (1988) - IMDb