最好映画。 099 「怪奇大作戦 第23話 呪いの壺」 1969年。
映画と言いつつテレビなんですが、滅法面白い30分を堪能できます。ビデオレンタルが流行り始めた時代にバンダイからEmotionというレーベルがスタートして、なかなか観れない映像がワンサカ出た時代がありました。その一つが「怪奇大作戦 実相寺昭雄監督作品集」というVHS。当時1泊2日1000円という大枚をはたいて借りたのが、「恐怖の電話」「死神の子守唄」「呪いの壺」「京都買います」の4本立て。タイトルの通り、不可思議な事件を担当する「SRI=Science Research Institute、科学捜査研究所」が解決してゆくお話です。どれもこれも一味ひねったお話で、岸田森さんや勝呂誉さんが美女と絡んで解決するんですが、必ずしもハッピーエンドやすっきりした解決ではないというところがミソです。中でも「呪いの壺」は特殊物質をめぐる殺人の裏に、老舗の強欲や恋慕が織り込まれていて物悲しいお話。1/10のお寺を実際に燃やしたラストシーンが肝ではありますですが、捜査の合間に見られるものすごいアップの切り返しや喋っている人が画面の1/10であとは人の背中しか写っていないとか、やたら通り過ぎる移動ショットとか、ともかくびっくりするくらいおかしなレイアウトの撮影がたくさんあります。4:3の画面を埋め尽くすことで濃厚な雰囲気を醸し出していて、46年も前の番組だなんてことを忘れます。物語の最後に犯人の父親がしがらみをぶち壊して贋作の壺を割りまくるカットで幕切なんですが、え、そこで?という歯ぎしりおじいちゃんのカットで終わります。悔しい怪奇大作戦。本が出てるくらいマニアが多いのでw、これだけで判断しては怒られますが、私はこれが一番好きです。この次は第24話「京都買います」。実相寺昭雄監督好きの方はこちらの方が傑作とおっしゃる方が多いですよね。京都行ったらロケ地探しますもん。お暇あれば是非。