マガジンのカバー画像

最好映画

231
最も好きな映画を書いてみます。
運営しているクリエイター

#岡本喜八

最好映画。223 「戦国野郎」1963年。

「戦国野郎」は「独立愚連隊西へ」の戦国時代版だと思ってます。 少尉とお坊さんと曹長がまた会話してる!ってだけでも楽しい(⌒▽⌒)。加山雄三=越智吉丹が武田忍軍の抜け忍。中谷一郎=銅子播磨が越智吉丹を追手なのについてくる不思議な輩。佐藤允=木下藤吉郎(!)。この3人の丁々発止が延々続く冒頭は可笑しくてしょうがない。 「木下藤吉郎、貴公、知らんのか?」 「しるかそんなもん」 「そんなもん!本人が聞いたらさぞがっかりするだろうなあ・・」 「越智吉丹、腕は立つが世間を知らぬ。ヤツ

最好映画。194 「のら犬作戦」1963年。

独立愚連隊シリーズの一編という紹介で長らく観たことがなかった、関沢新一脚本、福田純監督のいわゆる北支戦線映画。「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」「どぶ鼠作戦」「血と砂」の間にあって、岡本喜八監督ものではないので、ちょっと敬遠してたんですが、さにあらず。滅法面白かった!味方の中にも敵はいる、という裏テーマは相変わらずですが、隠された阿片を中国軍のはみ出しものと、日本軍のはみ出し者が奪いあう、不思議な展開。今で言う「スリーキングス」とか、かつての「戦略大作戦」のような、戦線の中で騙

最好映画。 134 「どぶ鼠作戦」 1962年。

独立愚連隊シリーズの後に作られた似非戦争映画。敵味方の中を駆け回る特務隊の活躍を描きます。佐藤允・加山雄三・中谷一郎・中丸忠雄・平田昭彦・江原達怡・夏木陽介・水野久美、と役者さんもスタッフも同じですが、「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」からさらにアップグレード。藤田進・田崎潤・砂塚秀夫・田中邦衛と加わった上に、最初から佐藤允が中国部隊隊長役という複雑さw なのですが、二度も観ているので、不安感がありません。ちょこっとだけ沢村いき雄・小川安三・中山豊が出てくるだけでニヤリとしてし

最好映画。 132 「独立愚連隊」 1959年。

岡本喜八監督の中でこれが好き、と言う方は多いと思います。味方の中にも敵はあり、と言う今にも通底するテーマを軽やかに描いてます。後に作られる「独立愚連隊西へ」の方が軽くて好きですが、佐藤允の格好良さは、こちらの方が群を抜いてます。謎の密室殺人、謎の新聞記者、謎の独立愚連隊配置。ミステリーの要素満点なのに、軍隊ものです。佐藤勝のテーマ曲、三船敏郎の怪演、中谷一郎の謎の好漢、中丸忠雄の悪役感、ミッキー・カーチスの軽やかさ、堺左千夫のおおらかさ、中山豊の格好良さ。その後も「大誘拐」ま

最好映画。 049 「地獄の饗宴」 1961年。

大好きな岡本喜八監督作品。二番館でも名画座でも中々お目にかからない作品。やっと観れたのは、日本映画専門チャンネルでしたw。意外と岡本喜八色が薄い印象です。一つ前の「顔役暁に死す」は加山雄三さん主演で、どこか青春ものを引きずっていましたが、この作品は三橋達也さん主演で、最初からオトナの映画。スタッフを見れば東宝の「黒い〜」シリーズの方々ばかりで、さもありなんというところ。なんですが、やはり早い展開と、つながりの妙、キャスティングと喜八タッチが随所に現れていて楽しいです。白黒です

最好映画。 023 「斬る」 1968年。

集団と階層が入り乱れる、しかも楽しい時代劇。 誤解があるかもしれませんが、職人がきっちり作った「椿三十郎」だと思います。「赤ひげ」「さぶ」でもおなじみ、山本周五郎原作「砦山の十七日」。モヤっとしてキリリと切れる仲代達矢さんが、岡本喜八監督ならではキャスティング。脇のキャラクターが生きまくる一編。中丸忠雄さん、土屋嘉男さん、地井武男さん、久野征四郎さん、久保明さんの若い世代に、東野英治郎さんの家老、黒部“ウルトラマン”進さん、天本英世さんの守備隊、追手にはおなじみ中山豊さん。大

最好映画。 021 「ジャズ大名」 1986年。

岡本喜八監督では最近ですが、85分が幸せに過ぎるという至福映画。もう出てくる人物すべてが楽しい。最初の20分は我慢しましょう。古谷一行さんが現れたら、もう最後まで走ります。脇役の楽しさが本当に溢れていて、利重剛さんから小川真司さんまで、ちょっとした台詞の応酬でキャラ立ちして、クスり笑いまで持っていかれます。そろばんスケボーとか細かい話は色々ありますが、酔狂な藩主とそれについてゆくのが必死の家臣達のドタバタ劇はツラい時に最高です。本田博太郎さんも本当においしいですが、頭にちょっ

最好映画。 010 「独立愚連隊西へ」 1960年。

岡本喜八監督の中ではこれが一番好きです。 第1作「独立愚連隊」がなければ成立していないけど、続編ではないところがミソ。こんな邦画あったんだ!という発見に満ちた映画です。軍旗捜索に向かった独立愚連隊を取り巻く陰謀と作戦と、敬意。大人数のキャラクターを余さず描き、悪役もイキでカッコ良いです。仲間の内に敵がいて、敵のスパイが味方のように動く。何よりもはぐれ者の集団が知恵と運で乗り切る行軍の間のたわいない会話が楽しいです。そろばんで何事も決める堺左千夫、いつもそばにいる中山豊、珍しく

最好映画。 009 「殺人狂時代」 1967年。

岡本喜八監督。 これまた学生の頃新宿武蔵野館で見た、とてもスゴい映画。 最後まで、え!ということの連続。楽しいです。