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最好映画

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最も好きな映画を書いてみます。
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#1988年

最好映画。216 「グレート・ブルー」1988年。

ちょこっと自慢なんですが「グレート・ブルー」を劇場(日劇プラザ)で観た、数少ない人間の一人です。数少ないというのは、私が観た時でも10人くらいしかいなくて、2週間で打ち切られちゃったからです。リュック・ベッソン監督、デビュー3作目。お話は、素潜りチャンピオンで名を馳せたエンゾ(ジャン・レノ)が、最も恐れているかつての素潜り名人ジャック(ジャン=マルク・バール)を見つけ出して、世界大会に連れ出して、切磋琢磨するけど、だんだん海に魅せられたジャックは・・という、見た目はスポーツ青

最好映画。207 「ミシシッピー・バーニング」1998年。

ウィレム・デフォーとジーン・ハックマン、フランシス・マクドーマンド。今そろったらえらい渋い顔合わせですが、公開された1988年でもだいぶん渋かったと思います。1960年代に起こった、人種偏見による行方不明事件。南部の町を舞台に、胸糞悪い状況で捜査してゆくFBI調査官のお話です。暑くて湿度の高いフィラデルフィア。十字架の炎の光の下に立つ二人のポスターで覚えてました。あのシーンは映画では前半ですが、コワい南部の町を感じるには十分です・・。アカデミー賞撮影賞を受賞した撮影監督はピー

最好映画。196 「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」1988年。

小学校6年生の時に秋田市の映画館で観たのが「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙(そら)編」1982年でした。6年経って高校生になっていた私にとって「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」というのはかなり奇異に映って、長いこと観なかったんです。アムロ・レイの戦いはア・バオア・クーの中で終わったと思い込んでましたし。社会人になってから「ZZガンダム」の絵か〜と思ってダラダラ見始めたら、実はこれがとんでもない戦争映画。冒頭での戦闘に失敗してフィフス・ルナが地球に落下し始めながら交わさ

最好映画。 140 「結婚の条件」 1988年。

1980年代の青春映画といえば、ジョン・ヒューズ。青春の終わりというか、自身の結婚と赤ちゃんが生まれるまでのてんやわんやを描いた、映画。「ブレックファストクラブ」「フェリスはある朝突然に」「大災難P.T.A」の直後で、ケビン・ベーコン、エリザベス・マクガバン主演でとてもワクワクして待っていたのですが、観た予告編が素晴らしすぎました笑。ペンギン・カフェ・オーケストラの「Music For A Found Harmonium」に乗せて、セリフもなくて、説明もほぼなくて、お話がすべ

最好映画。 098 「ゼイリブ」 1988年。

アイデア面白いことこの上ないB級SF映画。監督ご本人がおっしゃってるので、「B級」でいいみたいです。世界は宇宙人に支配されていることを知らず、レジスタンスがその正体を見破るサングラスを作り続けている。偶然手に入れた主人公が、サングラスをかけた瞬間に見たモノクロの世界が最高です。屋外広告や雑誌の中で見えてくるのは「従え」「考えるな」「消費しろ」「子を産め」という意識レベルで訴えてくる命令。80年代問題になった「サブリミナル」広告を逆手に取った物語。金持ちや警察官がみんな宇宙人で

最好映画。 085 「ダイ・ハード」 1988年。

クリスマスに無駄な活躍をしてビルをぶっ壊すツいていない男の話。悪役が頭いい映画って良いです。アラン・リックマンの落ちてゆく顔のネタが流れてましたが、ハンス・グルーバーのおかげで、この映画は芳醇になっていると思います。ずる賢くて、部下に非情なマッチョを抱えて、必ず裏があって、最後はしぶとくて、芝居までして勝とうとする。落ちてゆく時の彼の吃驚顔は、失礼だけどスカッとします。「ダイ・ハード3」でジェレミー・アイアンズが彼の兄役をやっていておかしかったですが、アラン・リックマンにはか

最好映画。 062 「レインマン」 1988年。

アカデミー賞な割に、もの凄く地味ですっかり忘れておりました。 久しぶりに見返すと、やっぱり地味。なんですが、そのなんでもなさ加減がスゴく心地よい映画です。 はじめから終わりまで激しいシーンもなくて、兄弟の邂逅を見ているだけと言う、ふしぎな映画。 音楽大好き。ハンス・ジマーは、この頃からずっとトップばかりでスゴいです。「パイレーツ・オブ・カリビアン」とか「ダークナイト」ではなくて、初期の「トゥルーロマンス」に近い感じ。 監督のバリー・レヴィンソンは自身の脚本作で有名な方で「ダイ

最好映画。 060 「行き止まりの挽歌 ブレイクアウト」 1988年。

村川透監督、柏原寛司脚本。「あぶない刑事」シリーズがものすごく流行っていた頃に突然現れた和製ハードボイルド。新宿が舞台の雑多な雰囲気と、ずっと動き続けるカメラ、蛍光灯を主体とした撮影が、新しいノワールだ!ってすごく喜んだ記憶があります。村川透監督の「遊戯」シリーズも思い出します。カメラが若干引き気味な分だけオリジナルな雰囲気で、蛍光灯が影響する緑色のトーンといきなり始まる暴力、藤竜也さんの渋さ爆発な男の映画です。警察署内のシーンの猥雑さは日本映画には無いトーン。若干お話が乱暴