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高校生でも分かる、飛行機のステータス修行【JAL編】
テレビでも取り上げられることが多くなり、世間にも(なんとなく)その存在が広がりつつある「修行」
今の時代、基本ググれば分かる。
でも、情報が沢山ありすぎて、いつも表面だけ分かったような気になって終わり。興味はあるけど、結局行動に移すことはしない。
このnoteは、全員に理解してもらえるように「分かりやすさ」を最重視しています。高校生でも分かるように。
とある旅行会社で働く、JAL修行経験者の僕が解説します。無料で。
(もし気に入ったら100円で買ってね)
①飛行機に乗る「修行」ってなに?
言葉の定義を説明します。
ここでいう「修行」というのは、
『飛行機に乗ることでしか貯まらないポイントを稼ぐためだけに、一般の人が考えもしない程、飛行機に乗りまくること』
お坊さんとかの仏教の修行って、何時間も読経したり、滝に打たれたり、一般の人から見たら「キツそう」ですよね。
それと同じで、飛行機の修行も、行き先で観光したり泊まったりすることもなく、すぐに帰りの飛行機に乗って戻ってきます。目的は「飛行機に乗ること」なので。一般の人から見たら「キツそう」ですよね。そこから「修行」という言葉がきています。
②修行すると、何者になれるのか?
修行する=飛行機に乗りまくる=ポイントを一定数貯める
ポイントを一定数貯めると、航空会社の「上級会員」になれる権利を得ることができます。つまり、修行している人のゴールは、「上級会員」になることなのです。
では上級会員になると、どうなるのか。
航空会社から、「上級会員の方は頻繁に利用してくださるありがたいお客様だから、様々な特典を用意して、もっともっと贔屓に利用してもらおう」
ということで、様々な特典を得ることができます。
・航空会社のラウンジが利用できるようになる
・一般の人より早く飛行機に乗れる
・一般の人は指定できない、前方座席を指定できる
・上級会員のみが利用できる、専用カウンターで荷物の預けができる
・キャンセル待ちが取りやすくなる
・荷物が早く出てくる
etc
けっこう色々ありますが、さっと思いつくのはこれくらい。
③じゃあ、修行します。上級会員になりたい!
上級会員を目指す上でルールがあります。
・1月〜12月の1年間のうちに、必要数のポイントを貯めなければいけない。
(ポイントは毎年12月末にリセットされる)
※安心してください。一度でも規定のポイント以上に達して上級会員になれば、そこからは半永久的にずっと「上級会員」のままです。
このルールがある上で、「JAL上級会員」になるには2つの方法があります。
・1年間のうちに、50回飛行機に乗ること
・1年間のうちに、50000ポイント以上貯めること(マイルではない)
上記どちらかを達成すればOKです。
④乗り始めるまえに
修行するその航空会社のクレジットカードを発行しましょう。理由は、このカードを通じて航空券を買ったほうが何かと得だからです。つくった時にもらえる特典のポイントが修行に役立ったりします。あと持っていたほうが上級会員になる時に手続きがスムーズです。修行される方の9割は持っていると思います。(航空会社のクレジットカードって、既にけっこうみんな持ってません?)
航空会社の会員になるようなイメージですね。自分の会員番号が発行されるので、航空券を買った際は、必ずこの会員番号と航空券を紐付けする必要があります。カードの種類は沢山あるので、公式HPで好きなの選んでもらってOKです。カードブランド(JCB、VISAとかのあれ)や一般カード、ゴールド、プラチナ様々あるので。オススメはCLUB-Aカードかなぁ。特典や年会費がそれぞれ違うので公式HP見てね。もしくは僕のブログ読んでみて下さい。(近日公開)
⑤50回乗るパターン
まず前提として、航空券って早く買えば買うほど安いです。早割ってやつです。
そして12ヶ月のうちに50回乗るということは、平均1ヶ月に4回以上乗る必要があります。主に国内線になると思いますが、どの区間でもOKです。
1回あたりの航空券が安く、かつ1日に複数便運行しているところでいうと、
・那覇-宮古島 ・福岡-宮崎
このあたりが有名です。那覇は、那覇空港を起点に宮古島以外にも石垣や他の離島便が飛んでいるので、1日で沢山飛行機に乗れる行程が組みやすいです。
1航空券平均5000〜9000円で収めたいところです。
この行程を2、3ヶ月以上前から計画し、航空券を用意しておくことになります。
なるべく安く、早割で航空券を買うためです。これは下でも説明するポイントを稼ぐパターンでも同じです。
⑥ポイント貯めるパターン
期間の条件は同じで1月〜12月。そのうちに50000ポイント以上貯めます。これはマイルとは違って、飛行機に乗ることで別に付与されるポイントのことです。JALではFOP(フライオンポイント)と呼ばれています。
このFOP、距離によって変わります。遠くに行く航空券であればあるほど、ポイントが貯まります。
このポイントは、距離(マイル)によって変わります。
(ポイント≠マイルなのですが、いくらポイントが貯まるかという計算にマイルが出てきます)
そして、航空券の運賃種別によってもポイント計算に違いが出てきます。
運賃種別とは、早割とか、特割とか、普通運賃(定価)のことです。
ここで先に、ポイントの計算式を紹介します。
FOP={マイル×(運賃種別+座席グレード)×FOP換算率}+ボーナスポイント
(なんじゃこりゃ、、あ、拒否反応おこさないでください。しっかり解説します)
この式で、実際に貯まるポイントを計算することが出来ます。
ひとつの単語ずつ解説していきます。
・「マイル」→距離とか長さの単位です。(さすがにそれは知ってるか)
1マイル≒1.6キロくらい
・「運賃種別」→どの運賃種別で航空券を購入したかによって変わります。ここでの単位は%を使います。
主な運賃種別を挙げると、
大人普通運賃、往復割引、先得割引、ウルトラ先得、特便割引1、株主割引、
個人包括旅行運賃などなど。
例えば、羽田→那覇の航空券を購入する場合、
普通運賃で購入→約40000円
特便割引3で購入→約20000円
と、このように同じ区間の航空券でも値段が違います。
これは一般的に変更可/不可等の航空券の規則の厳しさの違い、
前日の予約なのか、搭乗60日前の予約なのかといった予約タイミング
といった違いからくるものです。
そして、運賃種別、ここでは%の単位を用いると説明しましたが、同じ区間でも、いわゆる高額な航空券のほうが、運賃種別は上位になります。
つまり、より多く貯まるということです。
出発2ヶ月前より発売開始になる大人普通運賃は、いわゆる定価運賃と呼ばれ、最も高い種別の航空券です。運賃種別1に属し、区間マイルの100%が貯まります。
※区間マイルとは、それぞれの区間に定められた距離のこと
例えば羽田-那覇は984マイルと決まっており、運賃種別1ならそのまま984マイルが貯まります。
話を戻します。運賃種別1=区間マイルの100パーセントが貯まります。
一方、よく利用されると思われるウルトラ先得、スーパー先得、特便割引あたりの運賃種別は、運賃種別3となり、区間マイルの75%が貯まることになります。
・「座席グレード」→JAL国内線において、一般席の他に、「クラスJ」と「ファーストクラス」の2種類のグレードがあります。クラスJ利用の場合は上記の運賃種別に10%を加えます。ファーストクラスなら50%プラスします。
例:先得割引タイプAのクラスJで購入
→先得割引タイプAは運賃種別3なので、普通席なら75%ですが、クラスJなので+10%となり、区間マイルの85%貯まることになります。
・「FOP換算率」→これは簡単です。国内線は全て2倍、アジア・アセアニア線は1.5倍、それ以外は1倍です。
・「ボーナスポイント」→運賃種別によって変わります。
例えば運賃種別1および運賃種別4で購入した場合、+400FOPが加算されます。
※その他、運賃種別2、運賃種別5だと200FOP加算されます。その他の運賃種別では加算されません。
では、言葉の解説はしたので下記の式に落とし込んでみましょう。
FOP={マイル×(運賃種別+座席グレード)×FOP換算率}+ボーナスポイント
例:羽田→那覇 クラスJ 先得割引タイプAで購入
マイル=羽田-那覇は片道984マイルです。
(※984×1.6キロ=1574キロ これが羽田-那覇を最短で結んだ時の距離)
運賃種別=先得割引なので運賃種別は3です。よって75%
座席グレード=クラスJ利用なので+10%
FOP換算率=国内線なので換算率は2
ボーナスポイント=今回は運賃種別3なのでありません。よって0
ということで、
984マイル×(75%+10%)×2+0
=984×85%×2
=836×2
=1672
A.羽田→那覇 クラスJ 先得割引タイプAで購入した時、
貯まるポイント(FOP)は、1672ポイントとなります。
このポイントを年間で50000ポイント以上になるように考えるわけですね。
文章にして説明するとなんだかエグいですが、仕組みはこんな感じになってます。
⑦搭乗回数/規定ポイントを達成したその後
搭乗回数50回以上、もしくは50000FOP以上を達成すると、
JALから上級会員になりませんかというインビテーション(招待DM)がきます。
具体的には、今持っているJALカードをJGCカードにアップグレードしませんか?という内容です。
JGCカードとは、(JAL GLOBAL CLUB)の略です。
このJGCカードを発行することで、晴れて上級会員となります。
JGCカードでは、自動的にクラブAカード以上の選択になるため、
JALカードで一般カードを選択した人は、年会費が少し上がります。
このJGCカードを発行し、(JALカード→JGCカードへの移行)JGC会員となることで上級会員となります。JGC会員=上級会員ということですね。
繰り返しになりますが、このJGCカード発行はもちろん一般の人がいきなり発行はできません。
上記で説明してきた、ポイントや搭乗回数をクリアした人のみに発行資格が与えられるのです。
JGCカードの年会費は安いもので1万〜3万と、カードブランド、カード種類(クラブA、ゴールド、プラチナ)によって大きく違います。
しかし、この年会費の払っている間は、JGC会員のままということであり、
半永久的に上級会員のままということなのです。
⑧最後に
個人的には修行による上級会員は自己満足だと思ってます。しかしながら、修行することによって、修行前とは違う世界を垣間見ることもできました。
ツイッターで多くの修行僧、飛行機乗りの方々を見てきました。彼らはとても賢く、行動的で、楽しい方々ばかりです。
ただの移動のための飛行機ととらえるか、その中にも楽しみがあるか、これだけで旅行の楽しさが格段に変わってくるんだなあと考えたりもしました。
なにより、自分自身もより行動的になりました。
もし興味があるなら、やってみてください。
知らなかった世界がきっとあります。
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