序章 〜Provisionオープン、そして〜後半
前回までの流れは、まー単純に飲食バカが粋がってお店をオープンしたけど、結果閑古鳥が鳴きまくりでしたよっという感じ。
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そんな中、飲食店の繁忙期である12月に店を造作譲渡で売るために東奔西走、年明けからの自分の就職先を探すために更に東奔西走。
そうこうしているうちに、12月も後半に突入。一軒の飲食店専門のM&Aをしている不動産会社Aが、造作譲渡300万でどうですか??となり、決着かと思っていたときに、僕のFacebookに突然見知らぬ人からメッセージが…。
そこには、「なぜ売却しようとしているのか、協業できないか、直接会って話がしたい」と。
送り主の名前はN氏。共通の知人もFacebook上にいない、Facebookを頻繁にアップしているわけではないので素性がわからない、漢字が難しくて名前が読めない、ただなんとなく悪い人ではない気がする。
「どーせ売却もA社にほぼ決まっているし、会うのはタダだし、赤字ぶっこきまくっている店に詐欺仕掛けるわけもないだろー」と思い、会ってみることにした。
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忘れもしない2016年12月28日、僕の運命を大きく変える日になるとはその時は思いもせず。
待ち合わせ場所に指定されたのは、リッツ・カールトンの45階のラウンジ。
そもそも何でリッツ・カールトン??打ち合わせってドトールとかスタバじゃないの??と思いつつ、45階で待っているとN氏登場。
年齢は僕とさほど変わらない、平日の昼間にスーツでない、茶髪、リッツ・カールトンの雰囲気に物怖じしていない感じ。
怪しい人だなーって思いつつ、話がスタート。
不動産会社が出していた売却情報を見て連絡をしてくれたとのこと、本人も飲食店を経営していた経験があり、今はコンサルティング業をしていること、再生の手伝いができるはずとのことを、BLTサンドをむしゃむしゃ食べながら言っている。
そして一言、「年齢もちょっと上だし、資金も経験もある、品治さんにとって僕ってちょうど良いと思うんだよね」と。
(この言葉が僕は今でも好きだし、気に入っている)
率直に悪い人ではない気がする。そして他人の力を借りてでもProvisionを継続できるのであれば、やっぱりそれが一番だと思い直し、A社への売却話を却下、年末直前の急転直下でN氏との共同経営へと大きな舵を取った。
12月28日の閉店後、お店のテーブルに座り、もう少しProvisionを継続できることが嬉しく、一人で泣いたのは、内緒の話ww
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2017年1月よりN氏との共同経営スタート、と言ってもいきなり劇的な変化があるはずもなく、とりあえず店を開けても、閑古鳥が鳴いている状況が続く。
そんな中、N氏は忙しい時間の合間を縫って、彼がよく行く表参道の寿司屋さんや六本木のワインバーに連れて行っては、彼が見ている世界を見させてくれた。
(当時の僕とN氏の関係は赤字垂れ流しのレストラン経営者とそこに出資したスポンサーという感じなので、正直会話も弾まないし、笑いのある時間ではなかった。そして何より彼は食べるのがめちゃくちゃ早いから、着いていくのが大変で優雅に話してられない。)
1月の半ばにN氏が好きだという西麻布のレストランへ、僕とシェフのT氏、N氏の三人で行った。そこで開口一番、「Provisionに合うビジネスモデル思いついたよ。スポーツジムみたいに月額会費もらって、基本飲み放題食べ放題ってどう??14800円でお一人様コースと29800円で4名様コースどう??それか19800円のお二人様コースと39800円の4名様コース。1名と4名のほうがわかりやすいと思うんだよね。」と。
そしてその話をちょいちょいしつつ、会食終了。月額会費かーと考えながらだったけど、蟹の料理がめちゃくちゃ美味しかったのは覚えている笑
「月額会費で食べ放題、飲み放題」
明らかにとち狂ってると思いつつ、激戦区六本木で底辺まで沈んだ店を浮上させるにはそれくらいしないとだめなんだとも思った。そして、一度乗った船、とことん着いていこうとも思った。
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そんなこんなで、月額会費制の会員制レストランへと大きな舵取りをした2017年1月。
この続きは、2017年1月〜8月を第1章にするか、それとも最高にイケてない2016年2月〜2016年年末の話を第1章にするか。どーしようかな??
毎度のことですが、稚拙な文章にも関わらず、最後までお読みいただきありがとうございます!!