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初めてのCROWN POP(クラポ)ライブ

はじめに

CROWN POP にはまった。
以下は、2022年4月30日に行われたLive「神田にて」に参加した際、twitterに投稿した感想を再編したものです。
本来、3月20日に開催されるはずだったLive「新宿にて」がメンバーのご家族ならびに本人のCOVID-19感染によって延期に。その延期公演がこの「神田にて」でした。

スターダストプラネット所属のCROWN POP(通称:クラポ)はももクロの妹分グループとして紹介されることが多い。けれど多くのスタプラ所属グループと異なり、ここにはメンバーカラーがありません。あるのはグループのイメージカラー「青」だけ。これまでのライブでも客席はペンライトで青一色に染まってきました。しかし、「神田にて」を前に発表された新作ペンライトは青から赤、黄色……と15色を切り替えられるもの。この感想は、そのペンライトの印象から始まります。

幸福な1部、そして2部のスタート

15色のペンライトって、ずいぶん多色展開してきたなあって思ったんですよね。それがライブの構成やメンバーのチャレンジとつながっているのかは知る由もないけれど、「神田にて」の2部を見終わった直後に感じたのは、このライブに多色ペンライトを出してきた意味がちゃんとあるんだなっていうことでした。

1部は「初めてクラポ見る人」向けの内容ということで、初ライブ(4/10のお台場イベントが初クラポ現場)の僕も存分に楽しめたし、メンバーもポッパーさんも終始にこやかなまま、あっという間に1時間半。神田明神ホールには「クラポ」が満ちていました。青くて、暖かくて、幸福な空間。

じゃあ、2部はどんな構成にしてくるんだろう?
そう思っていたら、スタートは「Boot!!!」からの「alright!」。アゲ曲中心で疾走感あふれる感じでいくのかな、それもクラポらしさだよねーなんて、クラポ初心者のくせにぼんやり思いつつ、その後の「サマータイムルール」「手のひらに青空」、楽しんでました。

で、安定の脱力系MCからの次ブロック。
ここですよ、このブロック!!

いろいろなクラポが始まる

脱力系MC終わりのところで、三田さん(三田美吹)が『ここからはいろいろなクラポを見ていただければと思います』みたいなことを言ったんですよね、たしか。明るく楽しいクラポ、疾走感あふれるかっこいいクラポ、僕らがよく知っていて大好きな「クラポ」だけではなく、いろいろなクラポ。
ブロックの始めは「ToDo」。やっぱりかっこいい!赤や虹色に照らされるステージ上の照明に、ビート感あふれる曲調と伸びやかな声、5人のかっこよさがステージ上にあふれてる。横目に映る隣の人も、一生懸命、でも周りに邪魔にならないように振りコピしてて、ノリノリだ。そして「ToDo」が終わり、次の曲。メンバーがステージから捌けていく。なんで?

曲が始まる。

おそらくこの日のために用意されたインストに乗ってメンバーが一人ずつステージに戻り、ソロダンスが始まる。マイクは持ってない。曲に合わせて、一人ひとりしなやかで、力強いダンス。ソロのダンスがじきにユニットになり、5人そろってのダンスになり、また一人ひとりの見せ場が来る。
歌詞を動きで表現するようないつもの歌いながらのダンスではなく、ステージの上にあるのは曲とダンスのみ。コンテンポラリーダンスを彷彿とさせるような、動きが意味とone on oneの対応を取るのではなく、というか、言葉で考えるのではなく感じることこそが求められるスタイルのダンス。それに今、ステージの上でクラポの5人がチャレンジしてる。

一人ひとりの表情はまちまち。ポッパーさんのカメラに向かい楽しそうに笑顔を向けるメンバー、踊ってることそれ自体がうれしくて笑みがあふれるメンバー、個々にいろいろな表情でダンスを踊る中、あいたん(藤田愛理)はずっと笑みを消して踊っている。「笑顔こそがこの人の真顔なのでは?」と思ってしまうほど、いつもにこにこしていて、1部では悦楽、歓喜、信頼、照れ……笑顔にもいろいろなスタイルがあるんだよと教えてくれたあいたんが、ポッパーさんのレンズの射程に入っても笑顔を浮かべない。
ここで彼女が表現しようとしてること、彼女たちが挑戦しようとしてることはこれなんだな、覚悟なんだなと、鈍感な自分にもようやく伝わってくるようなヒリッとするような、それでいて情熱的なダンスパート。メンバーの表情も徐々にシリアスなものにそろっていきます。そして、そこからの「踊れ!」。

かっこいい? 切ない? それだけじゃなく

普通に「ToDo」「踊れ!」と続いていれば、「ああ、かっこいいパートの曲が続くなあ。クラポはスタイリッシュなのもいけてるよねー」と思ってしまいそうになるところだけれど、ダンスが間に入ったことで、明らかに2曲の色が違って聞こえる。安易に言葉に頼る生活をしているとなんでも「かっこいい」で片付けてしまうのは自分の残念なところだけれど、ここのクラポは「かっこいい」なんて言葉じゃ括れない。火の温度が色によって変わるように、一曲前の「ToDo」と、ダンス後の「踊れ!」では、その色がはっきりと違う。温度が違う。それぞれ何色なのか、何℃なのかはわからないけど、まさにいろいろなクラポ、同じ「かっこいい」なように見えて全然違うクラポがいる、そんな気がする。

そして「踊れ!」からの「横断歩道」。これまでの2曲とはまた違った意味で、笑顔とは距離のある曲。しっとりと切なく、それでいて時に強さを感じさせるダンスと歌唱。特にラスト、いぶいぶ(三田美吹)の咆哮とも言えるほどの"♪まだ強くなれてないよ"からの、不安げで、でも芯の強さを感じる"♪でも でも"。別れに逡巡しながらも、自分の道を進む。曲の主人公がいぶいぶの声で再現されていく。

いぶいぶ
あいたん
りなてぃー(里菜)
さほるん(田中咲帆)
みぃあ(雪月心愛)。

5人の歌とダンスで、曲の世界が神田明神ホールのステージにつぎつぎ現れてくる。そして、再びステージからメンバーが捌けたと思ったら、スタンドマイクを持って登場する。ということは「またね」だ!

いつも「切ない」とか「エモい」とか、そんな言葉を口にするとき、内心、それでは表現しきれていないよなということを僕は知っていて。でも、言葉にすがるしかないので、すぐに「切ない」とか言ってしまうので、「またね」も「切ない」で片付けてしまいかねないところだけれど、明らかに先ほどの「横断歩道」と今、ダンスと歌で表現されている「またね」は、異なる「切ない」を内包している。「To Do」と「踊れ!」でかっこいいの色が違ったように、「横断歩道」と「またね」も切ないの色が違う。

いろいろなクラポは、まさにいろいろなクラポで、曲が変わるたびに少しずつだけれど、でもはっきりと色の違う表情を見せてくれている。しかも笑顔を一切封印して、歌とダンスで表現するんだという覚悟のようなものを全員がまといながら、かっこいいとか切ないとか、そんな貧弱な言葉しか持たない僕をあざ笑って、クラポは多彩で多様な色を作り出していく。そっかあ、だから15色のペンライトだったんだなあ……いや、多分違うだろうけど、ここに来て15色のペンライトってそういう意味だったんだと勝手に納得させられてしまうぐらいの「色々なクラポ」が続いていく。

そして「Change the world!」。弾けた。

圧倒的で大満足なクラポの真骨頂

伸びやかないぶいぶも、しなやかなりなてぃーも、にこやかなあいたんも、弾むようなさほるんも、愛らしいみぃあも。それまで笑顔を封印して、決意と覚悟を身にまといながらパフォーマンスしていた5人が世界を変えた。得意なフィールドに戻ってきたような、それでいて新しいフィールドに立ったような、安心するような、わくわくするような、よく知っているような、初めましてなようなCROWN POP。さらに「Cheerful Butterfly」「キミリプホリック」と続く中、楽しく、かっこよく、頼もしくて、さわやかなクラポが続いていく。

でも考えたら、ここまで7曲(ダンスパートも加えれば8曲)、休みなし。ステージ上のパフォーマンスにグングン引き込まれ、いろいろなクラポに魅了されている間に、あっという間に曲数が重なっていく。あれだけのダンスが序盤にあったのだから、メンバーの疲労だって相当なはず。それでいて、この圧倒的なパフォーマンス!!

MCでいぶいぶが「これだけの曲を休みなしでやったのは初めて」みたいなことを話していたけれど、きっとこの日のために、このステージングのために、5人で相当の練習を積んできたんだろうことは想像に難くない。それを一切、破綻させることなく披露して、多彩な世界を見せてくれた喜び。きっと、これまでクラポをずっと見てきたポッパーさんにとっては、「うちのクラポはこれぐらいやれますよ」感と「すげーな、成長してるな」感が入り混じった感覚なんじゃないだろうか。それぐらい、圧倒的で大満足で、胸が満ち満ちていくような、そんなブロックだった。

ここまで来て、まだ挑戦が!?

アンコール1曲目は「君色ロード」。新衣装(「夏恋スコール」の青い衣装)からサクサク 39太郎さんのイラストがかわいらしい新グッズのTシャツに着替えた5人が、ステージで向き合って円をつくる。そして、あいたんがカウントを取る。

アカペラだ!
普段、さほるんが担う歌い出しを、5人のユニゾンで歌い上げたところで曲が入る。いやいやいや、ここに来てまだそんな挑戦が残ってたんですか……クラポすごいな……。メンバー発信なのか、演出家さんがいるのか、スタッフさんのアイデアなのかわからないけれど、どれだけの挑戦を盛り込んで、どれだけの練習を重ねてきたんだろう。そして、その勢いのまま「Real☓live」で我々を熱狂させ、締めのあいさつへ。

メンバー最後のあいさつ

(※終演後に急いで取ったメモを元に記しているため、発言を正しく書き起こしたものではありません)

りなてぃー
「昨年のZeppのままで良いのか。もっと成長して、新しい自分たちを見せないといけないのではないか。全員でそう思っていて……。みんなで今日に向けてがんばってきました。今日はありがとうございました」

いぶいぶ
「新しいページをめくるとき、それはどんな色をしているんだろうなといつも不安になるんです。これまで『自分はここにいてもいいのかな』『自分がいない方がメンバーにとっていいんじゃないのかな』と思ったこともあって……でも、今日はやれてよかった。皆さん、ありがとうございました」

さほるん
「いつもライブのたびに、お客さんが一列しかいなかったらどうしようって心配になるんです。今日のライブは、日付が変わったから来られなくなった人、逆に来られるようになった人がいると思う。ん〜、いつもあいさつ苦手で何言ってるかわかんなくなっちゃうけど。みんなありがとう」

あいたん
「今日、来てくれたお客さんが、全員それぞれ『良かったな』と思う点が違っちゃうぐらい、クラポのライブは喜びでいっぱいにしたいといつも思ってます。この5人がクラポで良かったなとみんなが思ってくれたらうれしいし、わたしはクラポのメンバーで良かったなとすごく思います。ありがとうございました」

みぃあ
「日程が今日になって、来られなくなった人がいることも知ってます。30日にやることになってから、わたしはみんなのために精一杯やりたいと思って、今まで頑張ってきました。わたしはこの4人と一緒で本当に良かったと思うし、みんながポッパーでいれてくれて本当にしあわせです。今日は本当にありがとうございました」

涙、拍手、新しい挑戦、そして青

あいさつでは一人ひとりがていねいに言葉を紡ぎながら、今日のライブに賭けた心を開放し、涙が流れていく。客席でもすすり泣く人が何人もいる。
実際、たった今、我々はものすごい挑戦を目の当たりにして、そしてそれを見事に成し遂げた姿を見届けているわけで、素晴らしいパフォーマーである5人への敬意、そして単なるオーディエンスには分かりようもないけれど、ここに挑んできた覚悟や「新宿にて」と「神田にて」への想い、さらにポッパーを同じステージを作り上げる仲間だと認めてくれる彼女たちの気持ちから伝わる一体感。いろいろな感情が次から次に襲ってくる。頭の中がぐるぐるする。誰も拍手を止めようとしない。メンバーが何か言うたびに、文字通り拍手が止まらない。そんな空気の中で、7/24豊洲PITでの公演が発表されて、挑戦が次のステージに続いていく喜びが会場を満たす。

そして、ラストの曲。

感情があちこちに振れまくって大変な中、最後の曲を前にみぃあから「じゃあ、ここでペンライトを青くしてください」の声。
「ギザギザのところを3回押して青くしてください。何色かわかんなくなったーという人は、ギザギザを長押しして、一回、オフにしてから3回押して……」と、凝り固まった体と気持ちをほぐす親切なペンライト講座があって、フロアは青一色に染まる。

最後の「LIFE」を包むのは、CROWN POPの色だ。

曲を表現するクラポへ

ほんと、クラポビギナーなので、知った風にあれこれ書いてしまって恥ずかしいんですが、恥ずかしいついでに感想をもう少し。
アイドルグループって、きっと個性がすごく大切で、「あのグループはこんな感じ」がはっきりしているとそれが強みの一つになるのかな、なんてことも思うわけです。クラポにもきっといろいろな個性があって、かわいいはもちろんだけど、仲が良さそうとか、楽しいとか、かっこいいとか。

で、今まで、この「神田にて」まで、そういうクラポらしさを「曲で表現」してきたのかなって思うんです。これまでのシングルやアルバム曲、素敵な曲ばかりだけれど、それを通して「クラポ」を表現してきて、僕たちはそれを好きになってクラポを応援してる。でも、今回、5人がやろうとしたことは、「曲を表現すること」だったのかなと思うんです。曲にある多彩な色を、自分たちのパフォーマンスを通して表現することに挑戦したのかなと。つまらない言葉遊びだけど、「曲で表現する」のではなく「曲を表現する」ことへのチャレンジだったのかなと。

今のクラポに出会い、その挑戦を生で見られたのは、本当に幸運だったし、やっぱりクラポはこれからもっともっと多くの人に見つかるべきグループだなと。世界中の人は、この素敵な5人を見ないことで損してると思う。僕も全公演に行けるわけではなくて、きっと全然行けない時期もあると思うけど、これから先、CROWN POPがどんな新しい世界を見せてくれるのか。とても楽しみだ。

豊洲に来て!!

神田で大きな挑戦を成し遂げたCROWN POPは、7月24日(日)に豊洲PITで自身最大規模のライブ「豊洲に来て」に挑みます。現在、チケットは絶賛発売中

すでに現在開催中の「うさぎおいしかのやまツアー」やリリースイベントで、メンバーは豊洲に向けていろいろな準備を始めている旨の発言を残しています。間違いなく、会場規模だけではなく、公演の中身もこれまでのクラポ史上最大級のものになるはず。お試しで覗いてみたいなという方には1,000円〜チケットが用意されているので、ぜひご自身の目で、素晴らしい5人のパフォーマンスを確かめてみてください!!


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