あらためて見る「豊洲に来て」/CROWN POPの色と覚悟
一週間の配信期間中、7,8回ぐらいは見たのかな? もっと?
わかんないけど何度か見た「豊洲に来て」。当日の印象とはまた異なってきて当然かと思うので、今回感じたことも少しだけ書いてみたいなと思います。
感じたのは、『バラエティに富んだ楽曲群がクラポカラーに染まったライブだったな』ということ。そして、『メンバーの覚悟があふれていたんだろうなあ』という想像。
レーザーの豪華(クラポ比)な演出もあって、すごくカラフルに彩られた豊洲PITのステージ。「夏キラリ☆」から始まって、「君色ロード」で終わるまでの21曲。
明るくて弾けるような曲もあれば、永遠に語り継がれる(かもしれない)いぶさほの「To Do」やりなてぃーの凛々しさも印象的だった「Boot!!!」のように痺れるほどにかっこいい曲、そして個人的にはクラポの真骨頂と思えるような聞くものの心情に寄り添うようなあたたかな曲。
キャラクターに幅のある楽曲群を歌い踊りこなせるCROWN POPならではのバラエティでしたが、曲調や演出のイメージを越えてすべてのパフォーマンスで頭上にクラポの空が広がっている、そんな印象を今回は感じました。
特に印象に残ったのが「手のひらに青空」
アンコール前、本編最後の楽曲で、曲中りなてぃーがこんな風に叫びます。
ここまで1時間強、15曲パフォーマンスしてきての「手のひら」。さまざまな演出に我々は楽しみ、驚き、息を飲み過ごしてきたわけですが、そのすべてがこの曲に、このタイミングのこの曲にたどりつくまでの物語だったようで。我々ポッパーとクラポの5人が、一緒にクラポのブルーに染まった青空を見るための本編だったんだ。そんな風にさえ感じました。
特にそう感じたのがメンバーの目線や表情。
もともと客席のファンに語りかけるスタイルが多いクラポですが、この曲中はみんなが客席に視線で語りかける。上のシーンでもみぃあちゃんだけじゃなくて、りなてぃーもさほるんもあいたんも、そして歌ってるいぶいぶも、みんなが愛しげな想いを重ねながら客席に視線を届けようとしています。
↑は「豊洲に来て」の映像じゃないけど……
我々はクラポと出逢った時に、すでに宝物を見つけていたのです、きっと。
そして、青空の下でそんな宝物と我々をめぐり逢わせてくれたのが、CROWN POPの覚悟だと感じています。
「覚悟」といっても、そんな悲壮なものではなくて、すごくしなやかな決意。
最近読んだ本に「6ヵ国転校生 ナージャの発見」というものがありまして、ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダと6つの国の学校を転校しながら過ごした筆者さん(現在は世界的コピーライター)が、それぞれの学校の違いを楽しくまとめたものです。
(全然クラポとは関係ないけど、びっくりするぐらい各国違うし、それがお国柄に重なってめちゃくちゃ説得力あるし、どの国が正解とか不正解とかじゃなくて単純にすっごく面白いから超おすすめ)
で、この本の冒頭がペンの話なの。筆記用具のペンね。
転校先の国で「えんぴつを使うように」と言われて衝撃を受けた筆者は、ペンを使う国の授業を振り返りながら「ペンは一度書いたら終わりだ。書いたものは直せない。実は、これが最重要ポイントだ」とペンを使わせる理由を推測。子どもの答案にも「覚悟」を求めるそのお国柄を紹介してきます。
で、ライブの話、クラポの覚悟のお話。
これはメンバーがそう話したわけでもないし、こちらが勝手にそう感じているだけなんですが、あれだけの「豊洲に来て」オリジナルな振り付けや演出がたくさんあって、当時も思ったけど、リリイベラッシュにあーりんソロコン(さらに学校)もある最中での大箱ライブ。企画時間、リハーサル時間を捻出するのも大変だったはずです。
それでもつねに明るく、クラポらしいステージで我々を魅了してくれたのは覚悟がなければ、厳しい日程を乗り越えられなかっただろうと、どうしても感じてしまう。真っ白なノートにいきなりペンで書き始めて、それでいて美しい文字で長文を書ききるぐらいの覚悟と緊張感が、豊洲前の期間からずっと、長く5人を貫いていたんだろうなと思うんです。
最後の曲「君色ロード」も歌い終えて、最後の最後にあいたんが口にしたあいさつ。
まあクラポを笑ったり、バカにする奴がいたら、こっちが黙ってないよという気分でもありますが、彼女たちは「そんな人達もひっくるめて全員を幸せにできる」グループになれたらいいと話します。
すべての人を青空のもとへ連れて行ってくれるCROWN POPの覚悟。
「NARIYAMANAI」「Cheerful Butterfly」「僕らの証」「alright!」「君色ロード」というアンコールパートのラインナップにも、クラポと一緒に歩いてくれれば大丈夫だよというメッセージが込められていたようで、今、あらためて思えば「手のひらに青空」で締めくくった本編部分よりも、アンコールパートの方がそういうメッセージ色がほんの少し強くこめられていたのかもという気もします。
今度の冬に出るアルバム(楽しみ!)に円盤が同梱されるまでこのライブを見られないというのは、あまりにも長く苦しい戦いになるわけですが、まあ仕方ない。むしろ一週間、再び味わえる機会をいただけたことに感謝しつつ、秋のクラポにも期待していきましょう。
秋には秋の、冬には冬の青空を、また5人と一緒に見上げられますように。