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最後のフェス/2024.8.2TIF初日

CROWN POP 最後のフェス(対バン)が終わった。
残すは8月8日のラストライブ「僕らのうた」だけだ。

2024年8月2日(金)
妻に「平日だよね?」と言われながらお台場へ向かう。会社づとめではなく、平日も夜中も自由に過ごしやすいフリーランスであることは幸運だ。金曜日だろうがなんだろうが今日は絶対にTIFへ行く。あいたんと言葉を交わせる最後のチャンスは逃せない

昼過ぎ。東京テレポートの駅を降りて、ダイバーシティ東京プラザを抜けてリストバンド交換所へ向かう。すでに暑い。日傘を忘れてきたことへの後悔が頭をよぎるけど、そんなものはよぎるだけで日差しを遮ってはくれない。暑い。

リストバンドの交換を終え、そのまま足を止めることなくDOLL FACTORYへ。14:20〜になるCROWN POPの出番の1時間ぐらい前に着いただろうか。前3組ほどのライブを鑑賞させてもらいながら、自分にとって彼女たちとCROWN POPのどこが違うのかについて(答えが出ないなりに)頭をめぐらせてみる。どのアイドルさんだってかわいらしい人がそろってるし、一生懸命な姿は美しい。歌の上手い下手はあるかもしれないけど、それは言い出せばキリのない話で、CROWN POPの歌は自分は大好きだけど、歌が上手いからクラポが好きというわけでもない気がする。

自分たちを信じる強さだったり、レッスンに向き合ってきた時間からもたらされる自信。ひょっとしたらそういうものを自分はCROWN POPの何らかの要素から感じやすくなってるのかもしれないなとか、答えが出ない中で考えたりしながら、ハンドクラップなどマネのできそうなところはマネしつつ、一曲ごとに拍手を送りつつ、各グループを見送って、いよいよCROWN POPのステージ。

他グループを見ているあいだに、少しずつ少しずつ前へ出ることができたおかげで、気づけば2列目のほぼ真ん中という好ポジションにめぐまれ、最前で推しジャンをしている人に革靴で足を踏まれたりはしたものの(とっても痛かった)、ここまで前でクラポを見る最後の機会。最高に楽しむことができたステージだった。

精一杯、あいたんの名前を叫んだ20分間。人生でこんなにも人の名前を大音量で何度も短時間に叫びつづけることってあるんだろうか。
"音量☓回数/時間"で名前を叫ぶ濃さを現すことができるなら、これまでももちろん声を枯らさんばかりに「あいたん」「愛理」と叫んできたけれど、このステージは間違いなく自分史上もっとも濃密な20分間だったと思う。家族の名前だって、妻の名前だって、愛鳥の名前だってそんなに呼ばない(笑)

あいたんだからこそ、その一度いちどにあらん限りの思いを込めて、柄にもない大声でその名前を叫ぶことができた。もうこんな濃度で人の名前を叫ぶこともない。
20分間、目一杯叫び、他のメンバーを見たい気持ちを抑えながら、目の前にいようが、遠くへ行こうが、角度が悪かろうが、ただただあいたんだけを見つめつづけた。何度か目線が合ったような気もするので、合ったことにしておいて思い出にしておこうと思う。
けれど、目線が合おうが合うまいが、あいたんだけを追っていようが追っていまいが、CROWN POPを心から味わえて、いつもと同じように気持ちが通いあえたライブだった気がする。こんな感覚を自分は他のグループで味わうこともない。

DOLL FACTORYを出て、特典会会場へ。暑い。気温が0.1度上がるごとに、言葉が100個消えていく。今、ここには「暑い」以外の言葉はもう残っていないかもしれない。暑い。

クラポちゃん御用達のBIOREの日焼け止めを腕に顔にと塗りたくるが、別にそれで涼しくなるわけもなく。東京テレポートの駅を降りたときに、ダイバーシティ東京プラザ入口のセブンイレブンでお昼ごはんのパンでも買っていこうと思っていたのだけど、レジに30人ぐらい並んでいたのに恐れをなして店をスルーし、その先(フードコートの手前)にあるなんとかドンキとかいう、ドン・キホーテで買ったWalkersのショートブレッド。これを昼ごはんにしようと思っていたのだけど、そんなの食べる気なんてさらさら起きない。貴重な水分をショートブレッドに持っていかれてなるものか。なけなしの麦茶を飲みながら特典会が始まるまで1時間。試練だ。

特典会はグループのグッズである生写真を買うことでツーショットやグループショット撮影用の特典券がもらえるというスタイル。考えてみれば、これまでCDを買って特典券をもらったことはももクロといぎなり東北産で経験したけれど、生写真を買ったのはクラポが初めてだ。アイドルとツーショットを撮ったのもあいたんが初めて(それまで体験した特典会は握手会だった)。
2022年4月10日、845日前に人生で初めて撮影したアイドルとのツーショットも、この日と同じお台場だった(ガンダム前広場)。お台場で始まり、お台場で終わるあいたんとのツーショット。

人生で初めてアイドルと撮ったツーショット写真

そんな思い出に浸るわけでもなく、暑いなあとしか考えられないほどの日差しの下だったけれど、それでも、なじみのポッパーさんとあれこれ思い出話や世間話をしていれば、なんとなく時間はすぎるもので、後方にどこまでもどこまでも伸びる生写真購入待機列を眺めながら「これは一周しか無理だねえ」(一回あたりの購入制限がある)と声を掛け合う。

今年に入ってから定着(?)したCROWN POPの購入ルールで、生写真を3セット買うとグループショット券がもらえ、2セット買えばツーショット券がもらえる。そして一回あたりの購入制限は5セットまで。
つまりもし「一周しかできない」のであれば、「グルショ券1枚+ツーショ券1枚」にするか「ツーショ券2枚」にするかを決断しなければならない。酷な決断を迫られる。

これがCROWN POPとしては最後の特典会だ。事務所に残る4人は、もしかしたら今後どこかで一緒に写真を撮る機会があるかもしれない(し、ないかもしれない)。けれど、あいたんは間違いなく今日が最後。人生で最後のチャンスだ。
しかし『CROWN POPの』りなてぃー、いぶいぶ、さほるん、みぃあと写真を撮る機会も、間違いなく今日が最後、人生で最後のチャンスだ。それよりなによりCROWN POPと一緒に写真を撮るチャンスも今日で最後だ。

でも……やっぱりあいたんと一緒に一枚でも多く写真を撮りたい。もっと言えば、0.01秒でも長く近くにいたいし、あいたんと自分の時間を作りたい。だって、もう会えないし、その視界に自分を入れてもらうことすら叶わなくなるのだから。どうしたって2回は撮りたい。そこは譲れない。

ひとまず一周目はツーショ券を2枚確保しよう。もし2周目も買うチャンスがあれば、そこでグルショ券を。そう決断し、まずはツーショ券を2枚確保。そしてもちろん2周などできるわけもなく、グループショットは断念。まあ仕方ない。先日の仙台で(TIFではグルショないかもと思って)撮っておいてよかった。

CROWN POPと撮った最後の1枚@仙台イービーンズ

あいたんと最後となるツーショット。この日、残っているもうひとつ、SKY STAGEでのライブは特典会終わりまでここにいれば、前方に陣取ることは不可能で群衆に埋もれることは間違いないはず。8月8日の「僕らのうた」のチケ番はおよそ400番。これまた群衆の中。
藤田愛理の瞳が自分の姿を捉えるのは、もうこれが最後になるはず。(自分の悪いくせだけど)大げさに考えれば、もうこの世に自分がいようがいまいが彼女の目に映る世界は何も変わらなくなる。その境界がこの特典会だ。

そんなことを前日から考えていたので、きっと特典会では泣いてしまうのだろうなと思っていたのだけれど、いざフタを開けてみれば、もちろんグッと込み上げてくるものはあったけれど、目の前にあいたんがいて、笑ってくれていて、その状態がうれしくないはずもなく、心に残る寂しさや悲しさなんかよりも、ずっと多くの幸福感にあふれた時間になった。

悲しさに押しつぶされず、最後まで幸福を感じられたのは、きっとあいたんが「楽しもう」と心に強く決めてこの特典会に臨んでくれていたからに他ならない。もし彼女がめそめそしていたら、こっちだってそれ以上にめそめししていたに違いない。最後の最後まであいたんに助けられるファン人生だったなと思うし、それほどまでに強く美しい人を好きになれたことが本当に幸せだったと思う。

あまりマナー的によろしくないことなのかもしれないけれど、自分の撮影が終わったあとも特典会を最後まで見届けさせてもらい、クラポ最後のフェスステージとなるSKY STAGEへ。

湾岸スタジオ屋上に設けられたステージ。客席フロア側からはステージ越しに北の空が大きく広がる。
19:00 CROWN POPのライブが始まるころにはステージ下手側の先、西の空がすっかり赤く染まり、そして徐々に夏の夜の深い青さが上空を染めていく。


まだ明るさが残るうちに、クラポと一緒に弾ける「夏キラリ☆」
少し暗くなったころに心をともにする「手のひらに青空」
そして遠くに見えるフジテレビ社屋の明かりが光を灯す「alright!」

さほるんが最後のMCで「CROWN POPとしての最後のフェスを、たくさんの思い出が残るTIFで過ごすことができてうれしかったです。本当にありがとうございました」といった言葉を残し、そうしてCROWN POPのフェスは終了。

屋上を去る際に見た西側の景色は、ほとんど夜景に。

これでもうライブは本当に8月8日のラストライブ「僕らのうた」だけになった。

TIFから帰宅後に配信したスタコミュであいたんは「楽しもうと思う」と話してくれた。自分だって「楽しもう」と思う。

思うけれど、同時に「寂しくないわけない」「つらい」という気持ちも湧き上がる。人の心は一色じゃない。もしかしたら、それを力ずくで一色に染め上げる、あるいは一色であるかのように見せるのが大人なのかもしれないけれど、自分にはそんなことできるはずもない。8月8日が近づけば近づくほど、心の中はぐちゃぐちゃになる。

泣いても笑っても、あと5日だ。

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