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価格はブランド力で決まる

【稼ぐ経営者のための知的財産情報】

 弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、「価格はブランド力で決まる」について説明します。

 早速ですが、見出しの写真を見てください。
 家庭用のラップフィルムを3製品並べました。
 全て同じ幅と長さにすればよかったのですが、購入した店頭在庫の関係で、多少差があります。
 違いといっても、幅22cm×50mと、幅30cm×40mなので、質量的には大差ないと思います。

 それよりも驚きなのは、その価格です。
 最も下側の「サランラップ」と、真ん中の「クレラップ」は約300円でした。
 対して、一番上の「無添加ラップ」は約100円なのです。

 無添加ラップは、大手薬局チェーンのプライベートブランドということもありますが、それでもこの価格差はどうでしょう。3倍ですよ3倍!

 何故、似たような製品でこれだけの価格差ができているのか。
 やはりブランド力の差があると思います。
 日本でのラップフィルムといえば、サランラップとクレラップの2強です。

 ラップフィルムの品質の差がどの程度かはわかりませんが、上記の2強以外の製品は、どこのスーパーに行っても、かなり安価に販売されているのではないかと思います。
 2強以外の製品がかろうじて価格を保っていても、実は100m巻きとなっており、倍の量があって実質的な価格は半値だったということもあります。

 このブランド力とは、いったい何を指すのでしょうか。
 品質を担保する機能も勿論あります。
 しかし、ラップフィルムのような日用品であれば、認知度(知名度)が最も影響するように思います。

 これは、私が先生と呼んでいる人の言葉ですが、マヨネーズを買おうと思ってスーパーに行ったとき、必ずキューピーのマヨネーズを買うそうです。
 何故なら、知らない会社のマヨネーズを買うと心配だからだそうです。
 この先生の教えは、「人は知っているものしか買わない、知らないものは買わない。」です。
 これを書いていて、私も小学生の頃、お使いでスーパーにマヨネーズを買いに行き、味の素のマヨネーズを買ったところ、母親から怒られたうえに散々小言をいわれたことを思い出しました。そのとき、二度とお使いには行かないと思いましたね 笑
 もしかしたらこの先生も、奥さんから「なんでキューピーじゃないの?」と小言を言われるのかも知れません 笑
(私の感想ですが、味の素のマヨネーズも美味しいと思いますよ。)

 いずれにしても知名度がある商品は高値で売れて、知名度がない商品は安値で売るしかない傾向にあります。

 似たような話は他にもあります。
 よく言われているのが、ブランド物のバッグです。
 私はブランド物のバッグについてよくわからないので、シャネルのバッグの価格を検索したのですが、定価はよくわかりませんでした。
 とりあえず見つかった中古品は、50万円とか100万円とかで売られています。
 高いですね~!

 これだけ高価なものですので、その品質は一流でしょう。
 しかし、これらのバッグと、国産の10万円くらいのバッグとの品質を比べてみたとき、どれだけの差があるのでしょうか。
 おそらく殆どないと思います。

 では、国産のバッグに50万円とか100万円とかの価格を付けて売れるかといえば、おそらく否です。
 やはり、シャネルというブランドがあってこそ売れるのです。

 これまでの話しで、これ大企業の話でしょ、中小企業にはできないよと言われるかも知れません。
 確かに規模の違いはありますが、中小企業でも知名度を向上させてブランド力を上げることはできます。

 コツは、全国は考えずに、先ずはその地域またはその業界でのブランドを確保することです。

 やり方としては、商標登録をして、プレスリリースをすることが一番簡単でしょうか。
 そして、基本的に安売りはしないことです。
 実際に、このやり方で知名度を向上させて、商売を繁盛させている会社はあります。

 最後に、自社のブランドができたら、そのブランドを守ることも必要です。
 上記のシャネルは、そのブランドを守るために相当のコストをかけています。
 一等地に構えた立派な店舗に、洗練された店員の対応(すみません、行ったことはないですが)。
 シャネルの名を無断使用する人がいれば、すぐに権利行使をしてきます。

 こういったことにも気配りできるようになればいいですね。

 この記事が御社のご発展に役立つことを願っています。

坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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