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調理ロボットの知財
【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
今回は、「省人化に貢献する調理ロボットの知財」をお伝えします。
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1.調理ロボットの台頭
近年、ネットニュースなどで調理ロボットの話題を見ることが多くなってました。
これ、従来の職人的な調理人に代わって料理を作ってくれる優れものですね。
味はどうなんだろう?という疑問もありますが、既に私も知らず知らずのうちにロボットが作った料理を口にしている可能性がありそうです。
確かに、外食産業の厨房はキツいですし、人が休憩しているときに働く職場でもあるため、若い人には人気の無い職場なのでしょうね。
これ、私の勝手な想像ですが、人材を安易に外国人に頼らずに先ずは賃上げをして、それでも働く人が来なければ自動化という流れをしていれば、日本の経済はもっと発展していたような気がしなくもないです。
ちなみに、私が若い頃に半年だけ働いた中華料理屋さんでは、早番が9時から18時、遅番が18時から深夜3時、「通し勤務」が朝9時から深夜3時までの勤務でした。
私は「通し勤務」は週1回しかしませんでしたが、先輩たちは「通し勤務」をしないと稼げないからと週3回やっていました 笑
もちろん、当時は週休1日が普通で、先輩たちは「通し勤務」と、遅番上がりの早番始まりが組み合わさると、1週間のうち4日くらいは深夜3時上がりの翌朝9時出勤という生活でした。
栄養ドリンク「リゲイン」のCMではないですが、バブル景気の頃は「24時間戦えますか?」が普通だったんですね。
2.調理ロボットの知財
ということで、前置きが長くなりましたが、今回は厨房の省人化に貢献して生産性も向上させる調理ロボットに関する知財を挙げてみます。
(1)実用新案登録第3245165号 欣坊股分有限公司¹(台湾の会社です)
【考案の名称】シェフロボット装置
これは実用新案ですが、いかにも調理ロボットという感じがしますので取り上げました。
温度検知モジュール10、画像認識モジュール20、におい検出モジュール30、中央処理装置(CPU)40、及びロボットアームモジュール50を備え、調理器60内の食品の温度、色彩、及びにおいを検知し、ロボットアームモジュール50を制御するとのことです。
これ、実物が稼働していたら見てみたいですね。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-3245165/25/ja
![](https://assets.st-note.com/img/1722229124566-CJBYo7P5jX.png?width=1200)
(2)特許第6288727号 株式会社テイクシステム²
【発明の名称】自動茹で麺装置
こちらは、湯槽1内で麺かご2内の麺が回動円板25の回動で所定時間湯内に浸漬されて茹で上げられると、所定位置で水切り動作をした後に、茹でた麺をカップCに供給し、麺が供給されたカップCには汁ディスペンサーヘッド8から汁が入れられ、これらの動作が全自動で行われる。また、空の麺かご2は、麺玉供給装置5から麺玉を受け取り湯槽1に戻る、とあります。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6288727/15/ja
![](https://assets.st-note.com/img/1722229635582-oO2AvglO4i.png?width=1200)
(3)特許第6915900号 株式会社ショウワ³
【発明の名称】ハンバーガー調理支援ロボットシステム
こちらは、ハンバーガーの注文内容に応じたバンズの種類、及び、調理方法、並びに、ペーパ又はボックスかの配置方法に関する情報を取得して、ロボット2を用いて注文どおりの調理方法で調理してラッピングする、とあります。例えば、バンズの調理方法がトーストならトースターに入れて、スチームならスチーマに入れます。ラッピングも、ペーパなのかボックスなのかを判断して、そのとおりにラッピングして提供するロボットです。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6915900/15/ja
![](https://assets.st-note.com/img/1722229875495-pBcl6hzHcc.png?width=1200)
他にも、「コネクテッドロボティクス株式会社」という会社も、複数の調理ロボットの出願をしています。
こちらは、うどん等の自動調理システムが目立ちました。
また、「ソニー」が当該分野にてけっこうな件数を出願していたことも驚きでした。
さらに、弁当工場や給食センターなどの大規模な施設に使用される調理機械としては、「中井機械工業株式会社」という会社の出願も複数件見ることができました。
こういった出願を見るのも面白いですね。
3.経営者はどうする?
さて、ここまで調理ロボットの知財を紹介しました。
これらのことって、一昔前では思いも寄らない特許等ですよね?
鍋を振って料理を作るのは料理人と決まっていましたもんね。
でも、時代が変われば常識も変わるのです。
御社でも、これまで人手での作業が当たり前といわれてきたことを自動化してみませんか?
その結果、省人化、生産性の向上、職場環境の改善による応募者の増加などの効果が期待できれば素晴らしいことです。
そういった試みが、御社の発展、日本の発展につながると思います。
もちろん、特許出願も忘れずに。。。
この記事が御社の発展に寄与することを願っております。
引用
¹欣坊股分有限公司.シェフロボット装置.実用新案登録第32451653号.
²株式会社テイクシステム.自動茹で麺装置.特許第6288727号.
³株式会社ショウワ.ハンバーガー調理支援ロボットシステム.特許第6915900号.
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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