未破裂脳動脈瘤がある日突然治った話
スーパードクターのもとで、約1年半ほど経過観察を続けていたある日、私は夜中に耳の痛みで目が覚めました。
破裂の前兆?と心配になって急遽、私の動脈瘤を見つけてくれた検診センターへMRIを受けに行きました。
検査の結果は直ぐに出ましたが、「大きくなっているように見える」とのことで、私は直ぐに病院へ連絡。
次の診察日は未だ先でしたが、電話に出た看護師さんが、私のただならぬ様子を察知して、診察日を早めてくれました。
これまで手術はしないと決めていました私も、ついに後遺症というリスクを受け入れて、手術しなければならない時がきたんだな。と覚悟しました。
また、診察日は早めてもらいましたが、病院でも改めてMRIを受けなければならず、この間に破裂したらどうしよう?と終始緊張状態でした。
そして迎えた診察日、私が診察室に入ると、そこには何故かニコニコ顔のM先生がいました。
予想外の展開に私が戸惑っていると、先生は私に向かって
「無くなっているよ」
と言いました。
私は訳が分からず、
「どういう事でしょうか?」
と聞くと、M先生は
「動脈瘤が無くなっているんだよ。この画像をみて下さい」
と言いました。
私は全く信じられず、恐る恐る画像を見ました。
すると、あんなに大きかった瘤の部分が見事に無くなっていました。直近の検診センターでの結果がまるで嘘かのように。
私は自分の身に起こった事が信じられず、「本当ですか?本当に無いんですか?別の人の画像じゃないんですか?←失礼」と先生に何度も聞きました。
でもM先生から返ってきた言葉は
「本当に無いんですよ。僕はこれまで何十年も患者を診てきて、その数は数千人に登りますが、動脈瘤が自然治癒した人はあなたで3人目です」
という信じられない言葉でした。
私はこの1年半、ずっとこの動脈瘤に悩み苦しみ、子供が出来ない事に絶望しました。それが、まさかの無くなっているという奇跡!先生の前で涙が止まりませんでした。
看護師も泣いている私に駆け寄ってくれ
「電話を貰った時、なりさんの事が、ずっと気に掛かっていたんですよ。本当に良かったですね。」
と、優しい言葉をかけてくれました。
私は病院を出てすぐに母に電話し、仕事中の父と彼にメールを入れました。
連絡をもらった両親や彼は、最初は訳が分からないといった様子でしたが、事の次第が理解出来ると一緒に泣いて喜んでくれました。
私は、この時初めて奇跡を体感し、早まって手術しなくて本当に良かった!と改めて思いました。
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一般的に、動脈瘤は一度出来ると治らないと言われていますが、M先生も言っているように、私のような希なケースも確かに存在します。
今現在、動脈瘤が見つかって悲しい気持ちでいる方が、このnote を読んで、今後ベストな選択をするための一つの材料になり得たら嬉しいです。