愛すること

母を愛していた
だからわたしは
なかなか立ち直れない
それは仕方のないことと
おやさまはおっしゃる

あなたがしあわせに生きることが
母のしあわせに繋がる
そう言われても

心が、わたしの心はおさまらない

母はいないから
母の魂はいつも一緒にいると言われても
わたしにはつかめない
触れない

生きているのが辛くて
苦しくて
どうしたらいいのだろう

いのちを粗末にはできない
そんなことは分かっている

こんな苦しみがあるのか
こんなかなしみがあるのか
わたしはおかしいのか

いつまで泣いているのか
立ち上がろうとしても
身体が拒否をする

愛するってどういうこと
愛ってなんなのか　

全く心がつかめない

自分の心なのに

母がいなくなってから流行り病にかかる
息子はもう母がいなくて良かったね
というけれど
わたしにはそんなことはどうでもいい
ポツンとひとり
置いてきぼりを喰らったことに
耐えられない

息子には息子の人生がある
わたしは重荷にはなれない

こんな気持ちのまま
生きるのはつらい

お母さんが亡くなってかなしい思いをする人はわたしだけではない

それでもうなだれる
気持ちは立ち直れない

愛ってなんなのか

わからない