とけてゆくよ
ヒラヒラ、ヒラヒラ舞う蝶々
御魂様、御魂様
私も蝶々になりたいな
自覚なく母の手を放してから
わたしはことの重大さにやっと気がついた
母がいないと泣くばかり
本当はいつもそばにいてわたしを見守っているはずなのに
わたしには見えないだけ
夢にも出てこない
それは当たり前
そばにいるから
泣いてもわめいても
もう母はお骨になっている
今もまだ半分は夢の中
手を放さなければ良かったのか
そんなわけにはいかないね
母の身体が限界だった
それでも母は頑張ってくれた
わたしのために
母がいるだけで良かった
落ち込んだわたしの姿に
「母だけじゃない、俺だって母と同じ」と息子がいう
でもあんたにとってはおばあちゃん
母と祖母では違うって
悲劇のヒロイン気どるなよって息子のこころの声が響いている
ふらふらのわたしを叱り飛ばしてくるけども
今は無理、無理無理無理
反発するだけ
わたしだって
喧嘩にならないように気を使う
我慢する
そのうちワガママ言い出して
対処しかねる
そんな時はいつも母が側で聞いてくれた
今は誰もいないと涙があふれる
ひとりでは生きていけないのか
うちひしがれる
確かに誰もいないことはない
細々と支えてくれる友はいる
でも母には敵わない
自分で考え、自分で立つ
これが今のわたしに必要なこと
すこしずつ分かってきている
そしていつか自分への呪いは雪が融けるように消えてゆく
大丈夫
わたしはひとりでも
大丈夫
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