憧れる⁉️

６つ年上のお姉さん
美人さんで誰もが憧れる

ただね見た目だけはいいけど
中身は良くないのよ

妹と旅行に行けば
少しわがままを言ったと妹を置きざりにして旅行先から一人で帰って来る

「わたしは女王さま」とでも思っているのか

みんなが持ち上げていないとすぐに機嫌が悪くなる

自分の思い通りにならないのは他人が全て悪いから
やさしくすればつけあがる
周りはヨイショをし続けないと

素敵なお姉さんのはずなのにどうにも勝手が違ってくる

六つも年下の病に苦しんでいる私にさえ傷つくことを平気で言って来る
そんなことをされて良い顔なんかできるわけはない
その傷は未だに私の心に残っている

彼女の親友と言われた人からも
最後には「鬼」と呼ばれ
誰も彼女とは関わらなくなる

彼女の整った顔立ちを求める男以外は

でも結局は男からも最後には捨てられた
胃袋を掴まれて、尽くしてくれる女がいいに決まっている
金喰い虫で男にタカル
全く家庭的ではない

見かけだけは憧れのお姉さん
いやもういつのまにかオバさんだ

それでもオバさんになっても顔立ちは整っているからか
顔のお手入れは欠かさないからか
バカな男は寄ってくる

中身を見たらチンプなの
男は逃げるに決まっている
なかなか物好きな男には出逢えない

相変わらず人の心を傷だらけにして
他人に迷惑をかけても平気である

あゝ、最低

喰わせ者よ
母親からも「せっかく綺麗な顔で産んであげたのに」って言われていた

宝の持ち腐れ

憧れのお姉さんと呼ばれていたのはいつのことか

なんだかね、こんな人生嫌だよね
かなしいよね、虚しいよね

なれの果てはどうなってゆくんだろう

親も亡くなり、妹も病院に入れる
確かにねやさしい面も少しはあるけれど
それでも関わりは持ちたくない

だからかな、昔からそうだった
人は見掛けで判断してはいけないと
私に教えてくれていた

みんなからチヤホヤされて生きてきた、私は今遠くから彼女のことを眺めているだけ

やっぱり人間は中身が大事
いくら見た目だけが良くても
憧れのお姉さんにはなれないよ

山根あきらさん
久しぶりにお題に挑戦してみました。
エッセイ小説風に仕上げました。

参加させて頂き、ありがとうございます。