わたしなんて
ゆるゆると生きている
それでいい
でも時々さみしくなる
「ありがとう」をカウンターで数えていた
その直後に母はあの世に還ってゆく
何万回の「ありがとう」は
母を手放すためのものだったのか
母の役に立ったのだろうか
ショックだった
それから「ありがとう」を数えるカウンターは放ってある
知らん顔
数えることもしなくなった
さみしくて、さみしくて
どうしたらいいんだろう
立ち上がれなくて
また落ち込む
ずっとそんな繰り返し
ひとりじゃないと
ひとりで生きている訳ではないと
言われても
母のいないさみしさは
埋められない
命が助かりました
御礼に来ました
とみんなうれしそうな顔をして
神様の元にくるけれど
ひねくれたわたしは
こころのなかで
「人間はいつか死ぬ」と人の喜びを
受け止められない
かなしい、かなしい
まずしい、まずしい
こころで
みんな、まだ生きている
肉体を持って生きている
痴呆になったとしても
まだまだ生きている
わたしのようにひとりではない
孤独ではない
かなしくない
手放して
手放したときが
成長のチャンスというが
そんなものはいらない
母を返して
とつぶやいている
わかっているよ
母、もう戻って来ないって
もうお骨だから
魂だけになったから
わたしもありがとうと言わないと
そばにいるよと言われても
どこかで母を感じても
かなしくて、さみしくて
手放せない
母のこと
わたしのこころは
わたしのこころは
地獄だろうか
わたしなんて
わたしなんて
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