手放しなさい
ちょうど去年の今頃だった
雨降りの日
預言カフェに行ってきた
言われていることはなんとなく
なんとなく分かった
母のこと、息子のことを手放しなさい
母は大好きだから
支えだから
容易く手放せない
握って手放すことは出来ない
息子のことは仕方ない
いずれ離れてゆくのだろう
雨降りの日
まだ生きてる母は
「どうだった」と
言われた言葉を文字に起こして
母に渡す
母はこころに刻み込むようにその文字起こしを何回も何回も読む
「ここはどういう意味だろうね」
研究熱心な母は聞いて来る
「どういうことかな?」
確かなことはわからない
二人で顔をつき合わす
わたしはなんとなく母を手放せという言葉と物事を神が動かすという言葉が引っかかる
神の言葉を受け取って
理解するのは
並大抵ではない
幾重にも解釈できるから
人間は自分の都合のいいように
解釈をする
母を手放せは
母を自由にすること
あの時から
いやもっと前から感じていた
もうすぐかなしみが
袋いっぱいのかなしみが
やって来ることを
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