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27年前僕がテストの答案用紙に書いた事

「空洞化」を説明しなさい。

27年前経済学部のある授業のテストを受けていた大学1年生の僕は、情けない話、この問題に答えらずにいました。さて、どうするか・・・

空洞化に関しては私は答えられません。

これが僕が書いた最初の一文です。そこからその当時話題となっていた「ある騒動」に関して私が思うところを唐突に書き始めたのです。その騒動とは1992年バルセロナオリンピックの女子マラソン選考騒動です。ご存じない方もいらっしゃるかもしれないので、ここで簡単にこの問題について書いておきます。

1992年の夏に行われるバルセロナオリンピックの女子マラソン代表を誰にするのか?前年の世界陸上東京大会で2時間29分57秒で日本人トップの2位に入り銀メダル獲得を獲得していた山下佐知子は既にオリンピック代表に内定していました。残りの二枠を幾つかの選考レースを経て決める事になりました。有力候補の一人と目されていた有森裕子は1992年1月の大阪国際女子マラソンに出場予定でしたが、左足の怪我の為に欠場。又次の同年3月の名古屋国際女子マラソンも回避し、バルセロナ五輪女子マラソン代表選考は決定をただ待つのみとなりました。有森の出場しなかった大阪国際女子マラソンでは、伏兵の小鴨由水が有森の日本最高記録を更新して2時間26分26秒のゴールタイムで優勝し、バルセロナ五輪代表を確定的にしました。このレースで小鴨由水に次ぎ、2時間27分2秒の好記録で2位となった松野明美も有力候補となりました。

山下、小鴨に次ぐ第3の代表は誰になるのか?陸連の出した答えは選考レースに一度も出場していない有森でした。当然この結果に松野陣営は納得がいきません。この騒動は当時のテレビや雑誌をにぎわす事となったのです。

試験中、気付いたら私はこの騒動について書いていました。問題の本質は何なのか?そうです、選考基準の曖昧さです。そして、選考レースは一つにすべきであるという持論を展開していきました。一発のレースで、よーいドンで走って、1番から3番を連れて行けばいい。何と分かりやすいのでしょう。何とフェアなのでしょう。

回答用紙にびっしりとこの件に関する持論を書いて、清々しい気持ちで試験会場を後にしたのを昨日の事のように覚えています。あれから27年、この週末遂にMGC、マラソン・グランド・チャンピオンシップが開催されます。

少しは大人になった今の自分にはなぜ複数の選考レースが存在してきたのか、納得はしていないですが、分かります。それら「大人の事情」を乗り越えて、今回、男女ともに一発決勝(1・2位は確実、3位は多少条件がある)が実現しました。関係者の苦労は並大抵のものではなかったと推察されます。陸連の強化委員会マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古さんはご自身も五輪選考の不透明さに巻き込まれた経緯もあるので、なお一層透明化へのこだわりは強かったのではないでしょうか?

何はともあれ、日曜日が楽しみです。

で、クラスの成績はどうなったかって?「可」がついて見事単位を取得出来ました。この単位が無かったら僕は留学出来なかったかもしれません。内野先生ありがとうございました!



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