近鉄の新型特急「ひのとり」に乗ってみた「気兼ねなくリクライニング」に一喜一憂の旅
近鉄の新特急列車「ひのとり」先頭車プレミアム車両に、大阪難波から近鉄名古屋まで乗車。車内にコーヒーマシンがあったり、それでちょっとしたトラブルがあったり、車内放送が楽しかったり、気兼ねなくリクライニングに一喜一憂したり。
(この記事は2020年6月に会員限定記事として配信したものです。)
近鉄特急「ひのとり」 独特の文化にニヤリ
近鉄が2020年3月、新たに名阪特急で運転を開始した列車「ひのとり」。デビューから約3か月が過ぎた2020年6月の土曜日、大阪難波から近鉄名古屋まで、その旅を体験しました。
▲大阪難波駅へ入線した近鉄特急「ひのとり」(2020年6月、恵 知仁撮影)。
乗車したのは、大阪難波発16時00分の「ひのとり」16列車。長らく国鉄・JR沿線で暮らしてきた私は、「16号」じゃないところに心が躍ります。
▲車両側面の案内にも「ひのとり」16列車の表示(2020年6月、恵 知仁撮影)。
席は近鉄名古屋方の先頭1号車、プレミアム車両です。定員21名のうち、6割ほどの乗車率だったでしょうか。そして、その3分の1強ぐらいが鉄道ファンらしき人たち。“ポイント”で写真を撮っていたりするので、なんとなく同類として通じ合えるものです。
「特急『ひのとり』016(ゼロイチロク)列車です」
そんな肉声の車内放送にニヤニヤしながら、特急「ひのとり」80000系電車は動き出します。
▲近鉄特急「ひのとり」プレミアム車両(2020年6月、恵 知仁撮影)。
車内放送といえば、自動放送でも肉声放送でも、全座席がバックシェルタイプで、気兼ねなくリクライニングできることを伝えていたのが印象的でした。
「鶴橋を出ますと…」 近鉄特急のロマン
母子連れがスマホでこの「ひのとり」の写真を撮っていた大阪上本町を発車したのち、また車内放送にワクワクします。
「次の鶴橋を出ますと、津まで停まりません」
長い区間を停まらないというのは、ロマンがあります。もっとも、昔は鶴橋から近鉄名古屋まで停まりませんでしたし、新幹線「のぞみ」のほうが……ですが、無粋なことはさておき。
▲地上へ出て、まもなく鶴橋に到着する近鉄特急「ひのとり」(2020年6月、恵 知仁撮影)。
地下区間から出て、ホーンを鳴らしながら鶴橋へ到着。
「喫煙室を使用できない区間を過ぎました」
▲近鉄特急「ひのとり」プレミアム車両備え付けの案内(2020年6月、恵 知仁撮影)。
そんな独特の車内放送にまたも心を奪われていると、大阪平野の東にそびえる生駒山地が、雨粒の流れる窓の向こうでだんだんとハッキリ、大きくなっていきました。
床に… 近鉄特急「ひのとり」 その良さの裏とその裏の良さ
▲近鉄特急「ひのとり」プレミアム車両にある「カフェスポット」(2020年6月、恵 知仁撮影)。
レギュラー車両でもJRのグリーン車並みというハイグレードさ、充実した設備が魅力の新たな近鉄特急「ひのとり」。プレミアム車両のデッキ付近には、カップコーヒーと菓子類の販売機が用意された「カフェスポット」があります。
▲「カフェスポット」の自動販売機にはココアや紅茶も用意(2020年6月、恵 知仁撮影)。
フラフラと車内見学に向かった際、そこで見つけました。床へチョロッとこぼれていたコーヒー。そして、カップコーヒーは美味しいけど、確かにこの危険はあるよな……と思いつつ別の車両をフラフラしたのち、そこへ戻ってきたのですが、見てしまいました。
通りがかった車掌が、床を拭いていました。「ひのとり」はハード面のみならず、ソフト面も良いようです。
▲コーヒーカップには「ひのとり」のマークが(2020年6月、恵 知仁撮影)。
またコーヒーといえば、プレミアム車両の座席にあるカップホルダー。肘掛け付近にすっぽりカップがはまるようになっていて、安心さと一定の使いやすさを両立しているのに感心しました。
▲こぼす心配がないプレミアム車両のカップホルダー(2020年6月、恵 知仁撮影)。
近鉄特急「ひのとり」 津で見えなくなる 「気兼ねなくリクライニング」に助けられたが
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