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あれも、これも、ちがう 西武2000系とはどんな電車なのか?

西武2000系といえば、「西武の黄色い電車」を代表する存在です。西武のベテランの車両でもあり、1977年に登場してから40年以上走っている車両もあります。2000系では製造途中で車両のデザインを一新したほか、長く活躍する過程で細かな改造や部品の交換を繰り返しています。このため、もともとのデザインの違いに加えて、修繕や部品交換の有無の違いで、車両によって個性があるのです。

(この記事は2021年12月に会員限定記事として配信したものです。)

西武2000系って、どんな電車?

 2000系は、西武鉄道で本格的な4ドア車として1977(昭和52)年に登場しました。当時の西武線では1両の長さが20m、片側に3つの扉を備えた20m・3ドア車が主流でしたが、2000系では20m・4ドアと、扉の数を増やしてラッシュ輸送に対応したのです。

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▲西武新宿線内で2000系同士がすれ違う。左が旧2000系、右が新2000系とも呼ばれる(2021年4月、伊藤真悟撮影)。

 現在の西武線では001系「ラビュー」や10000系「ニューレッドアロー」など、特急で使用する車両などをのぞくと4ドアの車両ばかりとなりましたが、2000系が登場した頃は、4ドアの車両は珍しい存在でした。

大きく分けてふたつある2000系の「顔」

 2000系では1988(昭和63)年に登場したグループからデザインを変えていますが、新しいデザインの2000系を新2000系、それまでの2000系を旧2000系と呼び分けることがあります。

 どちらの2000系も前面の貫通扉が付いていますが、旧2000系では側面の窓を2段のサッシとしています。一方、新2000系では前面に黒を用いた「ブラックフェイス」と呼ばれるデザインが採用されたほか、側面の扉の脇には戸袋窓が付き、側面の窓は一段下降窓を採用しています。この結果、「デザインは違うけど、同じ形式の車両」となっているのです。

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▲南入曽車両基地で並ぶ旧2000系と新2000系。新2000系は「ブラックフェイス」とした。更新工事により新宿線所属車は本川越・拝島方先頭車のスカート部に連結時の注意を促すスピーカーが設置された(伊藤真悟撮影)。

 ちなみに、旧2000系の前面デザインでは、前面に貫通路を設けたことで一新したように見えますが、従来の西武の車両に貫通扉を付けてアレンジしたものと見ることもできます。2000系が登場する前の車両のデザインは「昔からあった『見た目そっくりでも別形式』 ちょっと懐かしい小田急と西武の場合」で紹介しました。


編成の長さの違い

 2000系では、見た目の違いのひとつとして編成の長さの違いがあります。西武線では、池袋線や新宿線などで8両編成や10両編成の列車が走っていますが、国分寺線では6両編成、狭山線や西武園線では4両編成の列車が走っています。2000系は西武線のほとんどの路線で使用され、路線に合わせて編成の長さを柔軟に合わせるべく、いろいろな編成が用意されています。

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