「了解する会社も会社」「初いきなり却下」JR九州社長&水戸岡氏が語る「36ぷらす3」
JR九州が新観光列車「36ぷらす3」を披露。式典に参加したJR九州の青柳俊彦社長と、列車をデザインした水戸岡鋭治さんが、その裏話を語りました。青柳社長がこんなに熱くスピーチしたのは初めてで、初のいきなり却下だそうです。
(この記事は2020年9月に会員限定記事として配信したものです。)
こんなに熱いのは初めて(笑)
JR九州が2020年9月29日(火)、小倉総合車両センターで新しいD&S列車(観光列車)「36ぷらす3」を報道陣に披露。式典に出席したJR九州の青柳俊彦社長と、その列車と、元の車両である787系をデザインした水戸岡鋭治さんが、「36ぷらす3」や787系について語りました。
▲「36ぷらす3」のお披露目式典に出席したJR九州の青柳社長(右)と水戸岡さん(2020年9月29日、恵 知仁撮影)。
青柳社長はユーモアと歯切れの良いスピーチが印象的で、“演説”が進むにつれ「787系」の読み方が「ななはちなな」から「ななぱーなな」に変わるなどヒートアップ。それを受けた水戸岡さんは「青柳さんから、こんな熱いスピーチをもらったのは初めてです(笑)」と発言するなど、JR九州と水戸岡さんにとって記念碑的な車両である「787系のよみがえり」らしい内容になっています。
鉄道マニアの方はビックリ
※ここからは、JR九州の青柳俊彦社長によるスピーチ内容です(一部要約、省略)。
この「36ぷらす3」は、787(ななはちなな)系「つばめ号」、1992(平成4)年にできた車両でありますが、この車両を小倉総合車両センターの所長が腕によりをかけて大改造しました。
もちろんデザインは水戸岡さん。1992年にデビューした「つばめ」は、水戸岡先生がはじめて1から新車の特急の設計にとりかかった車両で、非常に歴史深く、水戸岡先生とJR九州の30年以上のお付き合いのなかで、非常にメルクマールな作品でございます。
当時、たぶんこれが出てきたとき、「こんな車両ができるのか」という感じで、かなりの鉄道マニアの方がビックリし、当時は「動くホテル」と呼ばれ、この三十年間、いろいろなところで大活躍してきました。
今回、これが生まれ変わり、“水戸岡マジック”で30年後の新たなデビューを、まさに果たします。
ただいまより、皆さんの左手から登場しますので、ご期待をしていただきたいと思います。それでは入場してください!
※ここで「プアーン」と汽笛一声、お披露目会場の線路へ「36ぷらす3」が入線してくる。
▲お披露目式典に入線してきた「36ぷらす3」(2020年9月29日、恵 知仁撮影)。
はい、いかがでしたか? 21世紀にふさわしい車両になって、外観も、中身も大きく変わりました。
社長「了解する会社も会社だ」
6両編成で、1・2両目はグリーン個室、3両目はビュフェ、4両目はマルチカー、5・6両目はグリーン車。そして1・6両目は、なんとフロアが畳です。こんなことする人がいるんですね。設計する人も人ですけど、了解する会社も会社だなと、完成した車両を見て思いました。
中身については、ぜひとも皆さんの目で確かめていただきたいと思いますが、わたしの感想としては、これまでの787(ななぱーなな)のいいところを引き継ぎながらも、まったく新しい別の車両ができあがったと思っています。どこがそうなのかは、ぜひ皆さんの目でお確かめいただければと思います。強制はいたしませんが。
▲JR九州の「36ぷらす3」(左)と一般タイプの787系(2020年9月29日、恵 知仁撮影)。
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