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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その5 菅原直樹『レクリエーション葬』
候補者について
菅原直樹[すがわら・なおき]
1983年生まれ。栃木県宇都宮市出身。桜美林大学文学部総合文化学科卒業。「老いと演劇」OiBokkeShi主宰。劇作家、演出家、俳優、介護福祉士。青年団所属。初の最終候補。
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候補作について
昨年9月〜10月、「老いと演劇」OiBokkeShiにより岡山芸術創造劇場「ハレノワ」小劇場並びにロームシアター京都ノースホールにて上演。
■時代、場所
現代。特別養護老人ホーム「ハレノワ」の共有スペース。
1 202☓年4月16日
2 2日後、夜7時過ぎ
3 2日後
4 5年後
■登場人物
岡谷正雄 老人ホームの入居者
山岡幸枝 岡谷の娘
氏家麻子 老人ホームの介護職員
所勇也 老人ホームの介護職員
一反田昌志 老人ホームの介護職員
佐藤ゆすら 老人ホームの介護職員
宮坂礼子 老人ホームの入居者
宮坂杜夫 礼子の息子
雨宮綾子 一反田の同居人
■物語
老人ホームに入居している97歳の岡谷正雄は、介護職員が提供するレクリエーションに腹を立てている。彼は命を懸けることができるレクリエーションを欲している。そこで介護職員は「生前葬をしましょう」と提案する。それから月に一度、岡谷は死ぬことになった―――。【公演チラシより】
総評
実際の上演はさすがに未見。岡谷役の岡田忠雄さんは97歳だとか。演劇作品としては高齢者や介護者とともに創るという取り組みに意義を見出すことも可能だけど、戯曲賞にふさわしいかどうかは疑問が残る。「ご遠慮します」という台詞が2回も出てきたのも個人的にはマイナス(選考には影響しないだろうけど)。