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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その3 安藤奎『地上の骨』
候補者について
安藤奎[あんどう・けい]
1992年生まれ。大分県出身。岡山県立倉敷商業高等学校卒業。劇団アンパサンド主宰、劇作家、演出家。初の最終候補。
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候補作について
昨年9月、MITAKA "NEXT" Selection 24thに選出された劇団アンパサンドの本公演として三鷹市芸術文化センター 星のホールにて上演。
■時代、場所
現代。事務の職場(恐らくは東京)。
■登場人物
高木ミヤビ
安河内
土橋 リーダー
アケミ
カオル
友田哲夫
■物語
とある夕方のオフィス。ミヤビは先輩社員の安河内から魚の佃煮を勧められ、故郷の鹿児島から父親が来ていて食事の約束をしているからと咄嗟に嘘をついて断る。安河内からその話を聞いたリーダーの土橋や先輩のカオルはミヤビに早く帰るように促しつつ、魚の佃煮を口にする。その後、魚の骨を喉に詰まらせた安河内は、友田のウィダーinゼリーを流し込んで事なきを得たかに思えたが、気づくと喉から魚の骨が飛び出していた。更にお腹から魚の頭が、背中から尾びれが飛び出す安河内。驚いている土橋たちも次々に魚に飲み込まれていく。
総評
この作品は実際の上演を鑑賞(こちら)しているのだけど、文字で読んでもやはり面白い。KERAさんが選考委員に残っていたら、どういう評価をしたかが気になるところ。ただ、最後がちょっと弱いかなという気はするので、受賞はないと予想。