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My Way

今日はシド・ヴィシャスのこの曲を毎年聴く日。

パンクガールだったあの子のお葬式の出棺の時にシドの「MY WAY」とブルーハーツの「終わらない歌」を流した。
お通夜の夜、大雨の中、家族に頼まれて、よく一緒にライブに行っていたあの子の元カレとライブ仲間だったもう1人の友達と、それからしめちゃんをこの時に初めて誘って、4人でTSUTAYAへ行ってCDを選んだ。
親友の葬式に流すBGM探しなんていうシュールな用事で来ている若者はきっと梅田のTSUTAYAにはいない。
そんなことをしめちゃんと話したような気がする。
あの子の元カレはDJをしていて、よくあの子と3人でパンクやロックの話をしたし元カレのイベントにも一緒に行ったけど、元カノの葬式に流すBGMを選ぶDJってのも、もっとシュールだなぁと思っていた。
とにかく今起きていること、していることすべてがシュールだなぁと俯瞰で見ていた。
そう思わないとやってられなかったのだろう。
色々書いてると、色々思い出すので、今日はこの辺にしておこう。

Regrets, I've had a few
But then again, too few to mention
But I did .. what I had to do

我々ながらイカれた選曲だと思う。
結婚したばかりの28歳の女が癌でこの世を去るという悲しみ要素増し増しのお葬式に、私は涙を流さずにこの曲を聴いていて、少し笑いそうになった。
あの子は一人っ子であの子側の親族は母親と叔母だけだったが、ファンキーなあの子の母親はシドの曲を選んだことをとっても喜んでくれた。夫側の親戚は戸惑っていたと思う、もう記憶にないけど。
ブルーハーツの「終わらない歌」もみんなの気持ちにぴったり合っていたけど(元カレが選んだ)、私やあの子の母親は、日本語で歌詞が入ってきすぎて辛さが増すから考えないように聞き流したのだと思う。
シドの「MY WAY」は、何かを完結させてくれるような、シドの人生とも重なるような不思議な感情にさせた。
あの子の母親は、大阪弁ではなく、いつもなぜか江戸っ子口調で、ヴィヴィアン・ウェストウッドを着るような尖った夏木マリのような中年女性だったので、
「のりまきさん、あの時のシドの曲、最高じゃん。」とあとでタバコをふかしながら言ってくれた。
今でも時々聴いていると言う。
それを伝えてくれる時のあの子の母親の表情がいつも明るく笑っている。
もういない人のためにできることは何一つないけど、残された人のためのものとして葬式があると思うから、多分この曲で良かったのだろうなぁと思う。いや、そう思うしかない。
やっぱりこの曲を聴くと笑いそうになるし、シドの下手くそさも含めていい曲だと思う。
今日は久しぶりにこのMy Wayを聴いて家に帰ろうと思う。


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のりまき
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