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10:30に起きるキャンプ場の朝 【4度目のソロキャンプ④】

おはようございます。

私は寒さと朝にめっぽう弱いのだが、4度目のソロキャンプ1泊目の朝、10:30まで熟睡してしまった。普段の私の家での休日としては早起きだけど、テントで寝る人間の中では朝寝坊だと思う。
昨夜はいくつかのテントの真ん中で男性グループで輪になって宴会している人たち(私が通り過ぎる時に「ぼっちキャンプー?!ギャハハ」と言っていたので、全力で聞こえないフリした)と、キャンピングカーで来ている静かなご夫婦と、巨大なテントで来ている夫婦などの面々がいたはずのキャンプ場だったが、起きると、巨大なテントが離れた場所にポツンと一つのみになっていた。
一組以外はみんな撤収して、綺麗さっぱりと人間は誰もいなくなっていた。

昨日の夜は、湯たんぽ(ナルゲンボトル)とカイロとUSB電熱ブランケットで凍えることなく、恐らく22時頃にはもう眠れていた。最低気温は12℃くらい。
冬にしては暖かいが、春にしては寒い気温だった。
正確に言うと、7時に一度、鼻先が凍った気がして寒くて起きてしまったが、目を閉じたまま、10秒くらいの早技で寝袋のファスナーを上まできちんと閉め、カイロを顔に持っていき、コードで顔周りのフードの部分をぎゅーっと絞ったら、安心して10秒後にすぐ眠れた。
恐るべし私の睡眠力。
耳栓も外れていたのに、人の動きを一切感知せずにひたすら眠り続けて10:30起床。
花粉アレルギーの薬のおかげかも知れないが、たっぷり眠れて最高の気分!とハッピーに言いたいところだが、40歳を何年か前に超えて以来、起きてすぐは体が全く言うことを聞かない。
すぐに体を動かせないのである。
「いてててて…。ぐぁー。ひーー。」
うめきながら、寝ると固まってしまう形状記憶気味の体を、少しずつ腰や首、肩を動かして上半身を起こすところまで持っていく。
もう少しいいマットを買えば少しはマシなのだろうか。
昔はこんなことなかったのになぁ。
自分の体の融通の効かなさを思い、ちょっぴり切なくなる。
だけど構わない。
テントのあの少しの段差もまだすぐには跨げない。
這い出て朝日の眩しさに、私はドラキュラやったっけ?というくらいのダメージをくらう。
サングラスを持ってき忘れたことにまた落ち込む。
40過ぎると、清々しい朝は、すぐには訪れない。
目が慣れて、四肢が思うように動かせられるようになるまでもう少し待ち、ナルゲンボトルの中の昨夜熱湯だった水を沸かす準備に少しずつ取り掛かる。
ライターどこやったっけ?
スノピのマグカップは?
お茶っ葉は?
何から何まで時間がかかる。
だけど構わない。
スロースタート上等。
ソロキャンプなんだから、トロくたって誰にも何にも迷惑をかけないし、誰ともペースを合わさなくても良い。
そもそも、10:30まで熟睡できる体であることは間違いなく心身は健やかではある。
我ながらあっぱれだ。
「いつでも、どこでも、すぐに、そして長く、眠れる&眠り続けられる」という私の特技は、旅人として、視力と同様に有利な点である。視力2.0の、いつでもどこでもおやすみ3秒人間の私は、もう旅人界のトップアスリートだ。特技の欄かもしくはチャームポイントの欄に記入したい。
そんなことを思えるくらい、頭の方は冴えてきた。

昨日、キャンプ場の売店で売っていた、この近くの茶畑で取れたらしい高級番茶「なっ茶」を買ったので、お湯を沸かしてお茶を淹れることにした。ちなみに「なっ茶」は、祖父母の茶畑を23歳で引き継いだまだ25歳くらいの女性が作っているお茶とのこと。凄いなぁとパッケージを見て感心する。
次に、朴葉みその味噌を塗り付けたおにぎりをバーナーで軽く焼く。
そして最後に、余ったお湯で味噌汁を溶かす。
普段食べない朝ごはんを、遅めの朝11時前、太陽の下、顔を思い切りしかめながらの、いただきます。
睨みつけるような目で焼きおにぎりに目をやる。
決して機嫌が悪い訳ではない。
眩し過ぎるのと、体が痛いのと、寝過ぎたなぁという気持ちと、昨夜少しビールを飲みすぎたかなぁという後悔とで怪訝な表情をしているだけ。
なっ茶の上品な香りと温かさで少しずつほどけていく。
あっという間におにぎりを食べ終わり、味噌汁をゆっくりすする。
味噌汁を飲み終わった頃には、呪文が解けたように本調子に戻っている。「よっしゃー!」なんて大きめのひとりごとを言うくらいの調子。
さて、昨夜、洗わないままにしていた器やメスティンを洗いに行こう。
そしてSPF8のハンドクリームを日焼け止めがわりに顔に塗って、1日を始める。
今日は何をしようかな。
何もすることがないし、何をしてもいいし、何もしなくてもいい。
ようやく清々しい朝がやってきた。
どうやら、私のキャンプの朝は、時差があるらしい。


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