【中学理科】消化と呼吸
こんにちは!今回は、私たちの体を動かすために欠かせない「消化」と「呼吸」についてお話しします。
食べ物を食べるとエネルギーがわいてきたり、呼吸をするだけで元気を保てたりするのはなぜでしょうか?実は、体の中では「消化」と「呼吸」が見えないところで大活躍しているからなんです。食べ物から栄養を取り出し、酸素を使ってエネルギーを作るという2つのしくみが、私たちを生かしているのです。
この記事では、消化と呼吸がどのように連携しながら体を支えているのか、その仕組みをわかりやすく説明します。一緒に体の中の驚きの世界を探ってみましょう!
【ポイント】消化
消化とは、食物を噛み砕いたり、消化液によって粒を小さくすることです。粒が小さくなることで水に溶ける養分になり、血液中に吸収することができるようになります。血液中に吸収できれば、血液成分の血しょうが全身に養分を送り届けてくれます。食物にふくまれる大きな分子のデンプンやタンパク質、脂肪のままでは、体内に吸収できないので、吸収されやすい小さな分子に分解されます。
デンプンの消化
デンプン→(だ液中のアミラーゼ)→麦芽糖など→(すい液中の消化酵素)→麦芽糖→(小腸のはたらき)
その他の消化
炭水化物→だ液、すい液、腸液で消化される。
タンパク質→胃液、すい液、腸液で消化される。
脂肪→胆汁によって消化を助けるはたらきを受け、すい液で消化される。
【ポイント】吸収
消化された養分は小腸で吸収されます。小腸の内側はひだ状になっており、その表面は「柔毛」という無数の突起物で覆われています。柔毛のような作りは、表面積を大きくするのに役立っており、効率よく養分を吸収できるようになっています。
吸収の例
ブドウ糖→毛細血管
アミノ酸→毛細血管
脂肪(脂肪酸とモノグリセリド)→リンパ管
消化酵素
消化液にふくまれ、消化のはたらきを行う物質。ちょうどヒトの体温に近い温度、40℃付近でよくはたらきます。消化酵素は、それぞれにはたらく物質が決まっています。
酵素の例
だ液→アミラーゼ(炭水化物(デンプン)を消化する。)
胃液→ペプシン(タンパク質を消化する。)
胆汁→消化酵素を含んでいない(脂肪の消化を助けるはたらきをする。)
すい液→トリプシン(タンパク質を分解する)、ペプチダーゼ(タンパク質をアミノ酸に分解する)、リパーゼ(脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解する)
【ポイント】貯蔵と排出
消化・吸収によって体内にとり入れられた養分は、呼吸によってとり入れられた酸素で酸化・分解される。その結果、不要なものができて血液にまじる。これらの不要なものが体内に残っていると害になる。二酸化炭素や水の一部は、呼気に含まれて肺から外に出されるが、それ以外のものは、排出器官によって、尿や汗として体外に出される。
じん臓のはたらき
血液からこしとられた不要物である尿は、腎臓につながっている輸尿管を通ってぼうこうに蓄えられます。
血液中の尿素などの不要物をこし取り尿として体外に排出する。
血液中の塩分濃度を調節する。
肝臓のはたらき
有害なアンモニアを無害な尿素に変える…細胞の呼吸で生じたアンモニアや養分と一緒に吸収してしまったアンモニアを無害な尿素に変える働きがあります。
胆汁をつくる…脂肪の消化を助けるはたらきがある胆汁をつくり胆のうに蓄えます。
養分を一時グリコーゲンとして蓄える…ブドウ糖などの養分をグリコーゲンとして一時蓄えます。
排出器官
このように体内で不要になったものや、体内に多すぎるものを体外へ捨て去ることを排出といい、排出のための特別なつくりを排出器官といいます。ときには、その生物にとっ て有用な物質(消化液や乳)を体外に出すこともありますが、これは分泌といいます。排出も分泌も、生物体での呼吸などの生命活動の結果として、物質が放出されるという点では同様である。
排出のはたらきとしくみ
細胞では、酸素を作って栄養分を分解し、生活活動に必要なエネルギーを取り出しています。分解される物質がブドウ糖と脂肪のときは、二酸化炭素と水が、アミノ酸のときは有害なアンモニアが生じます。
排出の例
二酸化炭素…肺から排出
水…じん臓と汗せんから排出
アンモニア…肝臓で尿素につくりかえられ、じん臓で尿中に排出。