
【中学社会】国際連盟と国際連合の違いをわかりやすく解説!頻出ポイントまとめ
「国際連盟と国際連合って、何が違うの?」と思ったことはありませんか? 中学社会や高校入試では、両者の違いや歴史的背景がよく出題されます。 しかし、名前が似ているため混同しやすく、苦手に感じる人も多いテーマです。
この記事では、 国際連盟と国際連合の目的・加盟国・機能の違いをわかりやすく比較 し、 高校入試に役立つ覚え方 も紹介します。しっかり理解して、入試や定期テストで高得点を目指しましょう!
国際連盟の成立
国際連盟の組織(総会、理事会、事務局、常設国際司法裁判所、国際労働機関(ILO)

平和機構…ドイツのカントは『永久平和のために』の中で、国際平和機構の設立の必要性を主張した。
十四か条の平和原則…第一次世界大戦末期の1918年、アメリカのウィルソン大統領は、秘密外交の禁止、海洋の自由、軍備の制限、各国の政治的独立と領土保全を保持するための国際機関の設立など、14か条からなる平和原則を示し、国際平和機構の設立を呼びかけた。
国際連盟の発足…1919年のパリ講和会議でベルサイユ条約が結ばれ、ウィルソンの十四か条の平和原則に基づく平和機構の設立が決定された。翌1920年に、ジュネーブに本部を置き、原加盟42か国からなる国際連盟が発足。
国際連盟の欠陥
大国の不参加・脱退…アメリカは議会の反対で参加せず、1930年代に日本、ドイツ、イタリアと次々に脱退。ソ連が1934年に加盟したが1939年に除名されるなど、メンバーの不参加・離脱によりほとんど機能しなかった。
議決方法…国際連盟の最高意思決定機関は総会であり、全会一致制に基づいていたため、制裁など有効な措置をとることが困難であった。
制裁手段…法的拘束力のない勧告にとどまり、経済制裁だけに限られた。軍事制裁ができず、抑止力に乏しかった。
国際連合の概要

加盟国…第二次世界大戦の戦勝国を中心とする51か国。
旧枢軸国の復帰…1950年代にオーストリアやハンガリー、日本などが加盟し、82か国となる。また、インドネシアやマレーシア、ラオスなど、アジア・アフリカの加盟が広がり始める。
1960年代…アフリカ諸国の独立によって大幅に増え、126か国となる。
冷戦中期~現在…1973年には東西ドイツの同時加盟。 990年代にソ連解体、ユーゴ分裂、南北朝鮮の加盟などで189か国2013年現在、加盟国数は、193カ国
非加盟国・地域
バチカン市国、パレスチナ自治政府、台湾、コソボ共和国などがある。バチカン市国やパレスチナ自治政府は国連総会に投票権をもたない が、オブザーバーとして参加している。
旧敵国条項
第二次世界大戦中に連合国の敵国であった国は例外規定が設けられ、場合によっては安全保障理事会の許可が無くとも軍事的制裁を加えてよいとする条項が設けられた。
該当国…国名で名指しされてはいないが、日本、ドイツ、イタリアなど7か国が「敵国」とされるという見解が採られた。
削除への動き…1995年、日本・ドイツが共同で敵国条項削除案を国連総会に提出。賛成多数で採択されたが、批准はまだ必要数に達しておらず、削除決議案は未発効のままとなっている。
財政の問題
国連の財政は加盟各国の分担金によってまかなわれている。分担金の割合は各国ごとに異なり、アメリカが1位で日本が2位であるが、アメリカは滞納している。また、中国の分担金は経済規模の割に少ない。
安保理の構成
安保理の常任理事国と非常任理事国を増やすよう求める声が上がっているが、実現していない。日本・ドイツ・ブラジル・インドなどが常任 理事国入りを目指している。