
よく出題される国公立大学経済学部の小論文出題例一覧
国公立大学の入試で課される小論文は、ただ知識を問うものではなく、あなたの考え方や論理力、そして社会への視点を評価する重要な試験です。そのため、過去の出題例を参考にして、頻出テーマや傾向を理解しておくことが合格への近道となります。本記事では、国公立大学の小論文でよく出題されるテーマや分野、注目すべきトピックを一覧でまとめました。事前に準備を進めることで、限られた試験時間の中でも自分の意見をしっかり伝える力を養いましょう!
国公立大学(経済学部)の小論文
経済学部の大学入試小論文の出題内容を見てみると、課題文や資料・グラフ等を要約し、筆者の意見をもとに論述させる問題が非常に多いことがわかります。文章量も400字前後でコンパクトに記述しないといけない問題が多く、要約の練習が必要です。
また、ある程度、現在の経済について知っておかないと自分の主張ができない問題も見られます。毎日新聞に目を通すなど、日々の過ごし方も重要になってきます。
北海道大学経済学部(後期)
問題1
文章1と文章2を読み、
問1 それぞれの筆者が「経済」と「宗教」の関係について、どのような視点から、どのように考えているか説明せよ。(400字以上500字以内)
問2 現在のグローバリゼーションの下における「経済」と「宗教」の関係について自分の考えを述べよ。(400字以上500字以内)
問題2
統計資料を踏まえて、
問1 日本企業の海外進出について、2000年代における推移と特徴、および、今後の展望を、背景となる国内的・国際的要因を踏まえて説明せよ。(400字以上500字以内)
問2 日本における海外企業の投資活動について、2000年代における推移と特徴、および、受入側としての日本の今後の課題を、背景となる国内的・国際的要因を踏まえて説明せよ。(400字以上500字以内)
福島大学人文社会学群経済経営学類(前期)
馬場直子『自転車に冷たい国、ニッポンー 安心して走れる街へ』を読んで、
問1 本文内容を要約せよ。(400字以内)
問2 私たちは様々な形で道路を利用しているが、その日本の道路交通の現状について、あるいはそのあるべき姿について自分の考えを述べよ。(600字以内)
福島大学人文社会学群経済経営学類(後期)
阿川佐和子『叱られる力 聞く力2』を読んで、
問1 本文を要約せよ。(400字以内)
問2 時代とともにコミュニケーションの方法は多様化してきた。それを踏まえて、人と人とのコミュニケーションのあり方はどうあるべきか。自分の体験を踏まえて述べよ。(600字以内)
富山大学経済学部(後期)
問題1
「企業の成長力高め賃金を安定的に増やせ」というタイトルの新聞記事を読んで、
問1 「毎月の基本給を上げるベースアップ(ベア)が多くの企業で昨春の半分以下にとどまった」とあるが、その理由を説明せよ。(100字以内)
問2 傍線部説明問題(45字以内)
問3 企業の収益力強化のためには何が必要とされるか説明せよ。(140字以内)
問題2
英文を読んで、
問1 抜き出し問題
問2 空欄補充問題
問3 本文では、社会規範が市場規範と衝突する場合、どちらが優ると述べているか。また、その理由は何だと思うか、自分の意見を日本語で述べよ。(2~3行)
静岡大学人文社会科学経済(後期)
吉川洋『人口と日本経済ー 長寿、イノベーション、経済成長』を読んで、
問1 傍線部説明問題(200字以内)
問2 傍線部説明問題(150字以内)
問3 経済成長の必要性を主張する筆者の考えに対して自分はどのように考えるか、理由を示しながら論じる。(400字以内)
岡山大学経済学部(後期)
問題1
吉原英樹『「バカな」と「なるほど」』を読んで、
問1 文中で述べられた三社のケースから、筆者の主張する非常識な、教科書通りではない戦略が通用するには、どのような条件が整っている必要があるか説明せよ。(100字以内)
問2 空欄補充問題
問3 「常識的な戦略では競争に勝てない」とあるが、なぜ勝てないのか、どうすれば勝てるのか、この2つについて筆者のいう模倣のタイミングの論旨に即して説明せよ。(250字以内)
問題2
広井良典『ポスト資本主義 科学・人間・社会の未来』を読んで、
問1 「過剰による貧困」がどのような状況でどのように生じるか説明せよ。(150字以内)
問2 「労働生産性上昇と経済成長の無限のサイクル」について説明せよ。(150字以内)
問3 「全体として、一方における「失業」と他方における「過労」が共存し、かつ格差が拡大するという、逆説的な事態」とあるが、「逆説的」と表現されている理由について説明せよ。(150字以内)
広島大学経済学部(後期)
問題1
柳川範之『日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日』を読んで、
問1 40歳定年制のメリットはどのようなものか要約せよ。(400字以内)
問2 現在の定年を75歳まで延長した75歳定年制があるとする。それを擁護して40歳定年制を批判する文章を書け。(300字以内)
問題2
技術進化と雇用の関係についての課題文が二つ与えられ、一方に基づいて他方を批判する文章を書け。(800字以内)
山口大学経済学部(後期)
問題1
阿部彩『子どもの貧困Ⅱ』を読んで、
問1 筆者は、現在の日本の子どもの貧困をどのような状況にあると指摘しているかまとめよ。(300字以内)
問2 筆者が、日本の子どもの貧困問題を「ゆゆしき問題」だと考える理由を説明せよ。(200字以内)
問3 「子どもの貧困問題」を解決するにはどうすればよいか、自分の考えを述べよ。(600字以内)
問題2
増田寛也『地方消滅』を読んで、
問1 出生率に関連する事柄や特徴について、特色のある都道府県にもふれながらまとめよ。(400字以内)
問2 希望出生率を実現するためにどのようなことが必要か、文章や表にもとづいて自分の考えをまとめよ。(600字以内)
香川大学経済学部(後期)
井上智洋『人工知能と経済の未来』を読んで、
問1 (蒸気機関などに代表される)汎用目的技術は経済にどのような変化を及ぼしたのか、筆者の考えを説明せよ。(300字以内)
問2 傍線部説明問題(200字以内)
問3 イノベーションが社会にもたらす影響について良い面と悪い面を説明せよ。そのうえで、現在生じているイノベーションが社会に対してどのような変化を引き起こしていくと考えられるか自分の考えを述べよ。(500字以内)
九州大学経済学部(後期)
問題1
英文を読んで、3題の傍線部説明問題に答えよ。
問題2
英文を読んで、英文和訳問題1問、傍線部説明問題2問に答えよ。
佐賀大学経済学部(後期)
鬼頭宏『2100年、人口3分の1の日本』を読んで、
問1 傍線部説明問題(150字以内)
問2 「私たちはこの先、集落の自然死を認めなくてはならない」とあるが、そのように筆者が主張する理由を述べよ。(300字以内)
問3 人口減少により、今後自分の地域ではどのような問題が生じ、またその問題に対しどのような解決策が考えられるか、述べよ。(400字以内)
大分大学経済学部(後期)
高齢者の運転に関する新聞記事や図を見て、日本の全人口に占める高齢者の割合がますます高まると予想されているなか、高齢者が車の運転を続けることに賛成か反対か。自分の考えを述べよ。(800字以内)
長崎大学経済学部(後期)
問題1
日本の観光に関する3つのグラフを見て、
問1 宿泊施設タイプ別に見た客室稼働率の特徴とその理由について述べよ。(200字以内)
問2 訪日外国人に対するアンケート調査のグラフを踏まえて、旅館の客室稼働率を改善するための方策について自分の意見を述べよ。(400字以内)
問題2
渡辺京二『なぜいま人類史か』を読んで、
問1 「日本人は嘘を言う」とあるが、筆者は日本人の嘘をどのように理解しているのか説明せよ。(200字以内)
問2 日本人の行動様式に関する筆者の問題提起に対して、自分の意見を述べよ。(400字以内)